▼利己的であるのは悪いこと? ▼人間の本性をめぐるイギリス思想史のドラマを描く。
人間は生まれつき利己的であるのか、それとも、利他的で社会的であるのか――。人間の本性をめぐってイギリスで一七世紀から一九世紀にかけて繰り広げられた、トマス・ホッブズからハーバート・スペンサーまで主要な14人のモラリストたちの論争を描く。
| | | | | | 第2期スタート 慶應義塾大学三田哲学会叢書 | | | | | | | 三田哲学会は創立100年を機に、専門的な研究成果を「生きられる知」として伝え、 公共の中に行き渡らせる媒体として本叢書の発刊を企図した。 シリーズ名は、ars incognita アルス インコグニタ。 ラテン語で「未知の技法」を意味する。 単なる知識の獲得ではなく、新たな「生きる技法としての知」を作り出すという精神を表現している。
| |
『三田評論』 2022年7月号(No.1268)(p.102)「執筆ノート」で、本書が紹介されました。 本文はこちら
はじめに
1 ホッブズ 人間は自己保存を目的とする/人間は必ず自分の善を意志する/人間は自分の善のために 他人の善を欲する
2 シャフツベリ 人間は自然に群れをなす/自然的情愛は人間を幸福にする/過度の自己情愛は人間を不幸 にする/自己情愛は人間にとって必要である
3 マンデヴィル 人間は利己的であるがゆえに社会的になる/利己心は社会に利益をもたらす/政治の巧み な管理が人間を従順で有用 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
柘植 尚則(つげ ひさのり) 1964年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科教授。博士(文学)。専門は倫理学・思想史。著書に『良心の興亡――近代イギリス道徳哲学研究』(ナカニシヤ出版、2003年/増補版、山川出版社、2016年)、『イギリスのモラリストたち』(研究社、2009年)、『近代イギリス倫理思想史』(ナカニシヤ出版、2020年)など。
|