▼再訴事案の法的規律に挑む。
わが国の「既判力理論」、その補完法理としての「信義則理論」が直面する理論的課題に対し、英米法の「後訴遮断理論」に考察のための新たな手掛かりを得て、伝統的な議論を再考。 この二元的な規律の合理性を検証し、わが国における既判力規範と信義則規範の具体的な運用指針を提供することを試みる先駆的研究。

『ジュリスト』 2023年2月号(no.1580)「書評」(p.47)に掲載されました。評者は、田昌宏氏(早稲田大学教授)です。

序 論 本書の目的と構成 1 本書の目的/2 本書の構成
第T部 イギリスの民事訴訟における判決効理論の展開 ――Hendersonルールの形成と発展を中心に 第1章 はじめに 第2章 イギリスの民事訴訟におけるres judicata 1 res judicata/2 訴訟原因禁反言と争点禁反言/3 手続濫用禁反言 第3章 Henderson ルールの形成と発展 1 Henderson v Henderson (1843) 3 Hare ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
川嶋 隆憲(かわしま たかのり) 1978年生まれ 現在、名古屋大学大学院法学研究科教授、博士(法学)(慶應義塾大学)
主要著作に、高田裕成ほか編『注釈民事訴訟法⑸』(分担執筆、有斐閣、2016年)、野村秀敏ほか『民事執行・保全法』(共著、法律文化社、2021年)、「和解目的で開示された情報の訴訟手続等における利用制限」熊本法学145号(2019年)、「ADR前置合意の効力に関する一考察」加藤新太郎ほか編『現代民事手続法の課題(春日偉知郎先生古稀祝賀)』(信山社、2019年)など。
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