パンと武器のために立ち上がれ! 「自由・平等・友愛」の社会を目指したフランス革命は女性たちにとって何を意味したのか。 政治に覚醒した市井の女性たちの「リアル」を明らかにする
フランス革命期の女性といえば、マリー・アントワネット、オランプ・ド・グージュ、ロラン夫人、テロワーニュ・ド・メリクールなどがよく知られている。しかし本書の主役は、これまで注目されていなかった、多様な職業(教師、芸術家、企業経営者……)を営む民衆層の女性たちである。 彼女たちの多くが革命運動の中に引き込まれていくことで、女性の社会的・政治的解放に向けてのかつてない議論を呼び起こした。市井の女性たちが積極的に政治参加していく契機となった「女性運動としてのフランス革命史」を描きだす。

『西洋史学』 第275号(2023年、p.97-99)に書評が掲載されました。評者は石原香氏(京都大学大学院)です。
『史学雑誌』 第131編 第8号(2022年9月)に書評が掲載されました。評者は楠田悠貴氏(東京大学大学院人文社会系研究科博士課程)です。
『週刊エコノミスト』 2022年4月5日号(p.64)「Book Review」で、本書が紹介されました。 本文はこちら

はじめに
第T部 フランス革命前夜の女性たち
第1章 女性とサロン サロンの精神/伝統の継承者たち/権威か、社交界の慣例か
第2章 女性の権利と従属 妄想にすぎなかった一八世紀の女性の権利/フェミニズムの先駆者/女子教育
第3章 自立へのほんのわずかな可能性 女性画家/一八世紀の女性作家/女優、ダンサー、歌手/大勢の家庭教師と教師/ 華々しく成功した二人の女性経営者/限界/女性たちの両義的な反応/反乱の先頭に立つ 女性たち ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 クリスティーヌ・ル・ボゼック(Christine le Bozec) 1947年生まれ。歴史学博士(ルーアン大学)、フランス革命の専門家。 著作に、La Normandie au XVIIIe siècle, Croissance, Lumières et Révolution, Ouest-France, 2002, La Première République 1792-1799, Perrin, 2014, Révolution et religion, Passés Composés, 2021 など。
【訳者】 藤原 翔太(ふじはら しょうた) 1986年生まれ、島根県出身。2016年トゥールーズ・ジャン・ジョレス大学博士課程修了(フランス政府給費留学)、博士(歴史学)。 現在、福岡女子大学国際文理学部准教授。 著作に、『ナポレオン時代の国家と社会──辺境からのまなざし』(刀水書房、2021年)、『東アジアから見たフランス革命』(共著、風間書房、2021年)、『フランスの歴史を知るための50 章』(共著、明石書店,2020年)など。
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