地域金融の経済学
人口減少下の地方活性化と銀行業の役割
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第62回エコノミスト賞を受賞しました。
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多様化する取引、激化する融資競争
「消滅論」さえ囁かれ、苦境が取り沙汰される地銀・信金信組など地域金融機関は、半面、人々の生活の基盤となる地域経済を守り維持する支柱でもある。収益力の低下や熾烈な 融資競争、激甚化する自然災害と疫病など困難な環境を克服し、リスクをとりながらも 地域社会とともにいかに生き延びてゆくかを、経済学的手法を用いて丁寧に解説した 注目の一書!
▼ミクロの金融ビッグデータを用いた精緻な実証など最新の研究成果をふんだんに取り込んだアカデミック・アプローチをとりながら、専門家以外の読者や地方金融機関に勤務する実務家など幅広い層にもわかりやすく現状を伝える画期的な意欲作!
▼フィンテック技術など多様化する金融サービスへの適合、激化する融資競争、金融機関同士の経営統合など現在地方金融機関が超克しなければならない喫緊の課題への対応策を丁寧に分析するとともに、激甚化する自然災害や疫病など、地方が直面する困難な環境を克服していくためには何が必要かを、きめ細やかに解説する。
▼「地銀は生き残れるか?」などを標題とする他の多くのビジネス書とは異なる、本格的 アプローチ!
第1章 人口動態と地域金融市場 1 人口オーナス時代の金融市場@――市場規模 2 人口オーナス時代の金融市場A――長短金利 3 自然利子率の低下圧力は地域により異なる 4 地域金融行政の現状 5 現状認識のまとめと問題設定
第2章 変容する金融ビジネス――収益源の多様化と他業との緊張関係 1 フィンテックの勃興 2 銀行業と商業――銀商分離 3 曖昧化する銀行業の境界と適切な規制の模索 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
小倉 義明(おぐら・よしあき) 1973年生まれ。95年、京都大学法学部卒業。99年、京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。2005年、コロンビア大学大学院博士課程修了(Ph.D. in Economics 取得)。一橋大学経済研究所任期付講師、立命館大学経営学部准教授、早稲田大学政治経済学術院准教授を経て、現在、同教授。2017年、第5回日本ファイナンス学会丸淳子研究奨励賞受賞。 主な業績 “The Objective Function of Government-Controlled Banks in a Financial Crisis,” Journal of Banking and Finance 89, pp. 78-93, 2018. “Lending Competition and Credit Availability for New Firms: Empirical Study with the Price Cost Margin in Regional Loan Markets,” Journal of Banking and Finance 36, pp. 1822-1838, 2012. “Interbank Competition and Information Acquisition: Evidence from the Interest Rate Difference,” Journal of Financial Intermediation 19, pp. 279-304, 2010. ほか。
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