ハンス・ヨナス 未来への責任
やがて来たる子どもたちのための倫理学
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▼科学技術文明において、現在世代は未来世代を滅ぼすことができる。 アウシュヴィッツの惨禍を生きた哲学者が描く、テクノロジー時代の新たな倫理学
▼気候変動、ゲノム編集、放射性廃棄物――
テクノロジーは、遠い未来にまで影響を及ぼす。 したがって私たちは、まだ生まれていない未来世代に対し、責任を負わなければならない。直感的にはそう思える。 しかし、存在していない者とは合意形成ができず、またそこに人権を認めることもできない。 ここに、ハンス・ヨナスの提唱した、まったく新しい未来倫理学の考え方が呼び出される。 ユダヤ人として二〇世紀を生き、自ら戦場に立った彼は、なぜ「未来への責任」を見出し、そしてどのような思索を重ねたのか。 気鋭の若手による、ヨナス研究の新たな地平。

『フィルカル』 Vol. 8 No.1(2023.4.30)「特集2 2022フィルカルリーディングズ」(p. 59)にてご紹介いただきました。選者は、加藤秀一氏(社会学・生命倫理学、明治学院大学社会学部教授)です。
佐賀新聞 2021年12月19日読書面(9面)「拝啓、書店より」欄にて、紹介されました。紹介者は、笈入建志氏(往来堂書店)です。
日本海新聞 2021年12月12日読書面(11面)「拝啓、書店より」欄にて、紹介されました。紹介者は、笈入建志氏(往来堂書店)です。

はじめに テクノロジーと未来/「本当に人間らしい生き方の永続」 先行研究の概観/本書の構成
第1章 人間と想像力――哲学的人間学T 1 動物と人間の境界 宇宙人の思考実験/想像力とは何か 2 反転する想像力 無限の反省/人間像の形成 3 墓と形而上学 なぜ人は墓を建てるのか/形而上学の起源
第2章 歴史をめぐる問い――哲学的人間学U 1 歴史とは何か 終わりなき歴史の運動/「自由の場は歴史である」 2 ユートピアに抗して ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
戸谷 洋志(とや・ひろし) 1988 年生まれ。哲学専攻。関西外国語大学・准教授。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。単著に『Jポップで考える哲学――自分を問い直すための15曲』(講談社、2016年)、『ハンス・ヨナスを読む』(堀之内出版、2018年)、『原子力の哲学』(集英社、2020年)、共著に『棋士と哲学者――僕らの哲学的対話』(イーストプレス、2018年)、『漂泊のアーレント 戦場のヨナス――ふたりの二〇世紀 二つの旅路』(慶應義塾大学出版会、2020年)がある。第31回暁烏敏賞(2015年)、第41回エネルギーフォーラム賞優秀賞(2021年)受賞。
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