現在進行形のイスラーム
時代が変わり、クルアーンの読み方も変わりつつある。ムスリムとして、一人一人が生きやすい社会をつくろうと奮闘する姿から、その最前線を見る。
なぜ男性が優位な社会なのか? なぜ過激派はテロを起こすのか? その根拠は、イスラームの聖典クルアーンにあるとされている。 しかし、新たな解釈を試み、男女平等やテロ抑制に取り組むムスリムたちも出てきている。 本書では、クルアーンという豊かなテクストを「リベラル」な解釈へと開き、変革を期す者たちに着目。 他者を認め、自分らしくあることを目指す「読み」の奥深さと、その実践を見ていく。
『宗教研究』 95巻2輯(2021年)(p.216〜p.222)に書評が掲載されました。評者は尾賢一郎氏(中東調査会研究員)です。
河北新報 2021年5月23日(21面)「読書面」に書評が掲載されました。評者は安達智史氏(近畿大学准教授)です。
神奈川新聞 2021年5月16日(12面)「読書面」に書評が掲載されました。評者は安達智史氏(近畿大学准教授)です。
ガイダンス 1 この講義で話したいこと 2 イスラーム教徒は危険? 3 どうしてイスラームがリベラル? 4 講義の目的と流れ
第1講 どうして聖典が重要なの?――クルアーンの力 1 クルアーンの影響「力」とは? 2 新しい解釈がなぜ必要なの?
第2講 クルアーンは戦争を命じている?――聖典の表と裏 1 カンボジアでのムスリムの「闘い」 2 宗教・聖典のなかの暴力・戦争 3 クルアーンではなぜ戦争と平和が説か ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
大川 玲子(おおかわ れいこ) 明治学院大学国際学部教授。イスラーム思想専攻。 ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)修士号取得。 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。文学博士。 著作に、『クルアーン――神の言葉を誰が聞くのか』(慶應義塾大学出版会、2018年)、『チャムパ王国とイスラーム――カンボジアにおける離散民のアイデンティティ』(平凡社、2017年)、『イスラーム化する世界――グローバリゼーション時代の宗教』(平凡社新書、2013年)などがある。
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