小児失語症の言語回復
ランドー・クレフナー症候群と自閉症の比較から
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ヒトは言語をどのように獲得し、発達していくのか。 生物言語学の見地から、 言語理解と発話のメカニズムを解明し、 言語回復への道筋を探る。
小児期に発症するてんかん性失語症であるランドー・クレフナー症候群(LKS)に着目し、 自閉症との比較とともに、LKS児の発話を促すための医療的介入法を提案する。
序 論
第1章 小児失語症としてのランドー・クレフナー症候群 1. ランドー・クレフナー症候群(LKS)とは (1) 医学・臨床的特徴――CSWSを伴う脳波異常 (2) 行動・発達上の特徴――自閉症に類似した行動と発達 (3) 言語的特徴――言語音聴覚失認と発話喪失 2. 脳損傷を伴う小児失語症との相違点(発症年齢と予後の相関関係) 3. 脳波異常を伴う他の小児脳疾患との比較(LKSとBECTS・CSWS) 4. 自閉症との比較(LK ……
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星 浩司(ほし こうじ) 慶應義塾大学経済学部教授、慶應義塾大学言語文化研究所兼担所員。 博士(言語学)。専門は生物言語学。 1965年生まれ。1988年獨協大学外国語学部卒業、1990年獨協大学大学院外国語学研究科英語学専攻修士課程修了、1995年ロチェスター大学大学院言語学科博士課程修了、博士号取得。マサチューセッツ工科大学客員研究員、慶應義塾大学経済学部准教授を経て、2006年より慶應義塾大学経済学部教授。 著書『言語学への扉』(慶應義塾大学出版会、2006年)。 主要論文 Merge and Labeling as Descent with Modification of Categorization: A Neo-Lennebergian Approach. Biolinguistics 12, 39-54, 2018. Lenneberg’s contributions to the biology of language and child aphasiology: Resonation and brain rhythmicity as key mechanisms. Biolinguistics 11. SI, 83-113, 2017.
宮里 恭子(みやざと きょうこ) 白鷗大学教育学部教授。博士(教育学)。専門は社会言語学。 1965年生まれ。1988年慶應義塾大学商学部卒業、1989年ボストン大学大学院教育学部修士課程修了、2006年テンプル大学大学院博士課程修了、博士号取得。慶應義塾大学商学部非常勤講師、白鷗大学法学部准教授を経て、2010年より白鷗大学教育学部教授。 著書『Beyond Your Own Culture――自文化再発見』(共著、英宝社、2003年)。 主要論文 Architecture of human language from the perspective of a case of childhood aphasia: Landau-Kleffner syndrome. Biolinguistics 10, 136-196, 2016(with Koji Hoshi). Power sharing between NS and NNS teachers: Linguistically powerful AETs vs. culturally powerful JTEs. JALT Journal 31, 35-62, 2009.
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