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小児失語症の言語回復
A5判/上製/200頁
初版年月日:2019/11/22
ISBN:
978-4-7664-2639-7
 
(4-7664-2639-8)
Cコード:C3080
税込価格:6,600円
小児失語症の言語回復
ランドー・クレフナー症候群と自閉症の比較から

目次

序 論

第1章 小児失語症としてのランドー・クレフナー症候群
 1. ランドー・クレフナー症候群(LKS)とは
 (1) 医学・臨床的特徴――CSWSを伴う脳波異常
 (2) 行動・発達上の特徴――自閉症に類似した行動と発達
 (3) 言語的特徴――言語音聴覚失認と発話喪失
 2. 脳損傷を伴う小児失語症との相違点(発症年齢と予後の相関関係)
 3. 脳波異常を伴う他の小児脳疾患との比較(LKSとBECTS・CSWS)
 4. 自閉症との比較(LKSとARのリスクマーカー)

第2章 人間の言語の仕組み――レネバーグとチョムスキ―の視点から
 1. 言語学を理解するためのキーワード
 (1) 言語の考え方に関する事項
 (2) 個々の概念
 (3) 言語学の中の音に関する分野
 (4) 言語学の中の構造を扱う分野
 (5) 言語学の中の意味を扱う分野
 2. 内在化された言語:レネバーグの潜在(的言語)構造と実現構造/チョムスキーの普遍文法とI言語
 3. レネバーグの母語獲得モデルと臨界期仮説
 (1) 母語獲得モデル
 (2) 臨界期仮説
 4. レネバーグの共鳴理論と脳波律動
 (1) 共鳴理論(Resonance Theory)
 (2) 脳波律動
 5. モジュール性
 (1) 心のモジュール性
 (2) 言語のモジュール性

第3章 言語理解と発話のメカニズム
1. 言語の理解と発話の脳内メカニズム
 ――Hickok & Poeppel (2007)の発話処理モデルから
2. LKSに見られる言語障害の発生メカニズム
 ――Hickok & Poeppel (2007)のモデルに基づく提案
 (1) LKSにおける言語音聴覚失認障害と発話障害のメカニズム
 ――内言語が影響されない言語学的背景
 (2) LKSにおける言語障害の発症のメカニズム
 ――Hickok & Poeppel(2007)の理論に基づく提案
3. レネバーグの失語症理論とLKSへの応用

第4章 LKSからの言語回復と発話促進への治療法
 1.tDCS(経頭蓋直流電流刺激) ――LKSへの適用の可能性
 2.tDCSを用いた言語回復への仮説
 ――8つの回復パターンに対する部位の特定
 3. レネバーグの脳波律動に関する仮説からの提言

第5章 言語進化
 1. 言語進化(生物進化vs.文化進化)
 2. レネバーグの言語の生物学的鋳型(=「潜在[的言語]構造」)と言語機能
 3. 生物進化から文化進化への移行
 4. 言語進化から言語障害の医学的治療への貢献の可能性

第6章 今後の展望に向けて
 1.自閉症とLKS――誤診防止へのリスクマーカーと早期治療
 2.心の理論と周囲の関わり方
 3.LKS児の言語獲得のための教育的示唆
 (1) 言語獲得過程の特徴――語彙(名詞)獲得の困難と言語学的ビッグ・バン
 (2) 望まれる療育・教育体制

結 論(本書のまとめと提言)

 コラム
  @ ランド―・クレフナー症候群(LKS)
  A 自閉症の発見から現在まで
  B 統語論と語彙項目
  C 臨界期を証明する事例(ジニー、チェルシー)
  D 心のモジュール性を証明する事例
  (ローラ、ウィリアムズ症候群、特異性言語発達障害、サヴァン症候群)
  E ネオ・レネバーグ的生物進化理論

あとがき
引用・参考文献
索引
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