漱石はいかにして外国文学を読み、 傑作をうみだしていったのか?
▼漱石作品のなかには、謎の外国語、そして外国作品の引用句がちりばめられている。本書では、遺された蔵書をたんねんに調べ上げることで、それらの出所を突き止め、漱石がどのように外国語の本を読み、作品のなかに取り込んでいったのかを明らかにする。 ▼とりわけ、ピーコック、ブラウニング、シェンキェヴィチ、ウィリアム・シャープなどの典拠を手がかりに漱石作品を読み解き、〈東洋と西洋〉、〈影響と受容〉という二項対立を超えた、その〈現代性〉――近代人の絶望的な〈孤独〉の所以――をさぐりあてていく。

『比較文学』 61号に書評が掲載されました。評者は種田和加子氏(藤女子大学教授)です。
図書新聞 第3346号(2018年4月7日)6面に書評が掲載されました。評者は北川扶生子氏(天理大学教授・日本近代文学)です。
熊本日日新聞 2018年1月28日読書面(9面)「西槇偉(熊本大学文学部教授)が読む」に書評が掲載されました。

はじめに
第一章 漱石文庫をたずねて――蔵書は語る T 「漱石山房」から「漱石文庫」へ U 「漱石文庫」と「狩野文庫」 V 漱石の愛蔵書
第二章 英学から英文学へ――漱石の修業時代 T 六ペンス叢書の伝説 U 英語との出会い V 漢学塾から英学塾へ W 英文学への道
第三章 奇人たちの饗宴 ――『吾輩は猫である』とピーコックの〈談話小説〉 T 〈写生文〉から〈長篇小説〉へ――『猫』の変容 U ピー ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
飛ヶ谷美穂子(ひがや みほこ) 札幌市生まれ。近代文学研究者。日本比較文学会理事。 慶應義塾大学文学部文学科国文学専攻卒業。同大学院文学研究科修士課程修了。著書に『漱石の源泉 創造への階梯』(慶應義塾大学出版会、2002年)、共著に『夏目漱石における東と西』(思文閣出版、2007年)など。
|