「軍」としての自衛隊
PSI参加と日本の安全保障政策
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これは自衛隊を戦わせる準備だったのか? 日本の安全保障政策が根本的に転換されようとしている今、その契機となったPSI(アメリカ主導の大量破壊兵器拡散への対抗枠組)への参加過程と、そこでの自衛隊の活動の実態を初めて明らかにする、改憲論議にあたり必読の重要文献。
▼安全保障政策の根本的転換を決定づけた「PSI 参加」の実態を初めて明かす。 ▼多数の一次史資料から、冷戦後の安全保障政策の再整理を試みる野心作。
国際情勢の激変によって、岐路に立つ日本の安全保障。安保関連法成立のはるか以前に根本的な政策転換を規定したにもかかわらず、その実態がほとんど知られていない「PSI(拡散に対する安全保障構想)」への参加と、そこでの自衛隊の活動に関する実証分析により、安保政策をめぐる議論に重要な視点を提供する。 改憲が論議される今、研究者のみならず、政策決定に関わるすべての政治家、官僚、ジャーナリストが必ず読むべき重要文献である。


はじめに 略語一覧
第一章 「拡散対抗(PSI)」と自衛隊 一 「軍」としての自衛隊とその「軍事力」 二 PSIの双面神的(Janus-faced)性格 三 先行研究について 四 分析の手法と史資料 五 分析の視座と構成
第二章 二つの政策アプローチ 一 「武力の行使」と「武器の使用」 二 同盟深化アプローチ 三 国際貢献アプローチ 四 小括――PSIは「武力の行使」か、「武器の使用」か
第三章 PSIへの「参加」決定過程 一 PSI構 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
津山 謙(つやま ゆずる) 国会議員政策担当秘書。 1973年生まれ。筑波大学大学院国際政治経済学研究科博士課程前期修了(国際政治経済学修士)。ハーバード大学ケネディ行政大学院修了(公共政策学修士:MPA)。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際関係学専攻後期博士課程修了(学術博士:Ph.D.)。 国会議員政策担当秘書資格試験に合格し、2012年より現職。NSC設置法、特定秘密保護法、平和安全法制など安全保障関連をはじめ、多くの法律の審議・成立に携わる。政策実務の傍ら、ハーバード大学ベルファー研究所リサーチ・アソシエート、星槎大学客員研究員を兼務。 主要論文に、Rising Sun in the New West, The American Interest, Vol.7, No.5, 2012(Richard Rosecrance, Mayumi Fukushimaと共著)、「「新しい西洋」を主導するのは日本だ――日本のNATO加盟が世界を変える」『中央公論』2012年6月号(R. ローズクランス、福島麻友美と共著)、「PSIスキームと日本外交・安全保障政策――その経緯、法的基盤、意義」『早稲田大学アジア太平洋研究科論集』第28号(2014年)、「自衛隊の多国間共同訓練――「多国間安全保障協力」のひとつの態様として」『早稲田大学アジア太平洋研究科論集』第31号(2016年)など。
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