歴史としての大衆消費社会
高度成長とは何だったのか?
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▼戦後70年、高度成長の「呪縛」を乗り越え、日本再構築に向けた針路を示す!
敗戦の瓦礫のなか、日本は生活文化の全面的な西洋化・アメリカ化を「さしあたって」決意した。大衆消費社会、分厚い中間層と高度成長はそこから生まれ、その後の経済停滞はこうした歴史理解の取り違えから生じた。
そして現在、われわれの生活文化感覚は着実に伝統回帰しつつある。21世紀日本のあり方を考えるには、鎌倉時代に始まり江戸時代に完成した日本伝統の資本主義が育んだ文化と精神を再評価し、1000年の歴史のなかで戦後70年の意味を問い直さなければならない。

経営史学 第53巻第3号(2018年12月)「書評」(p. 67)に書評が掲載されました。評者は藤井信幸氏(東洋大学)です。
週刊エコノミスト 2017年12月19日号「Book Review」(p.54)に書評が掲載されました。評者は、吉川洋氏(立正大学教授)です。
週刊 東洋経済 2017年11月25日号「Review」(p. 96)に書評が掲載されました。評者は橋本努氏(北海道大学経済学研究院教授)です。

第1章 本書の目的 通説への懐疑と対立仮説/二つの消費社会/二段階の近代化/限定合理性/分厚い中 間層と大衆/その後の消費社会
第2章 消費の社会的枠組み 1 生活様式としての消費 2 消費の社会的枠組みの形成過程 2.1 第一段階:自己保存と承認をめぐる闘争 2.2 第二段階:宗教の変化と他者関係 2.3 第三段階:市場の拡大 3 日本の経済行動における儒教の影響 3.1 近世の通俗道徳 3.2 経済行動におけ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
寺西 重郎(てらにし じゅうろう) 一橋大学名誉教授 1965年一橋大学経済学部卒業、70年同大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、83年経済学博士(一橋大学)。1970年一橋大学経済研究所専任講師、73年助教授を経て84年教授、2004年名誉教授。この間、1976〜78年イェール大学客員教授、85〜86年オーストラリア国立大学客員教授。2006年より日本大学大学院商学研究科教授などを経て、2015年より一橋大学経済研究所非常勤研究員。 主著に、『経済行動と宗教――日本経済システムの誕生』(勁草書房、2014年)、『戦前期日本の金融システム』(岩波書店、2011年)、Evolution of the Economic System in Japan (Edward Elgar, 2005)、『日本の経済システム』(岩波書店、2003年)、『経済開発と途上国債務』(東京大学出版会、1995年)、『工業化と金融システム』(東洋経済新報社、1991年)、『日本の経済発展と金融』(岩波書店、1982年)、などがある。
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