▼「総合研究 現代日本経済分析」シリーズ(第2期)配本開始! 現代日本経済の重要課題に対し、確かな数的根拠と優れた知見を提供し、民主主義社会に不可欠な質の高い政策論議のための知的基盤を形成する。
▼世界の水不足を市場で解決する画期的研究!
第1回配本は21世紀最大の世界的難問と言われる「水資源問題」。 現在、石油・石炭などのエネルギー資源からレアアースなどの稀少鉱物・金属まで、さまざまな資源問題が生じているが、とりわけ深刻なのが「水」であり、なかでも食料生産に必要な農業用水の偏在が、国際的に喫緊かつ深刻な課題となっている。 この背景には、 @かつての「緑の革命」に象徴される大規模灌漑・大量生産によって資源の枯渇や生態系の破壊がもたらされたこと、 A気候変動によって水の攪乱(極端現象の増加)への対応が難しくなっていること、 B購買力の低い発展途上地域における人口および食料需要の増加、 といった要因がある。
本書は、この問題に対して、バーチャル・ウォーター貿易の概念を導入し、複数地域での水資源の配分を市場メカニズムによってコーディネートするという新たな考え方を採用、その可能性を理論と実証の両面から根拠づけようとする。
資源・環境問題の解決に新たな地平を開く、国際水準の画期的研究!

はじめに
第1章 地球の水循環と水資源の多様性 1 はじめに 2 地球の水循環 2.1 大気中の水 2.2 降水 2.3 地表面付近の水 2.4 地表面下の水 2.5 貯蓄 3 水資源の賦存量の多様性 3.1 空間的分布の多様性 3.2 時間的分布の多様性 3.3 賦存量の多様性と水の可能性 4 水資源の賦存形態の多様性 4.1 ブルー・ウォーターとグリーン・ウォーター 4.2 フロー型水資源とストッ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
佐藤 正弘(さとう まさひろ) 内閣府経済社会総合研究所研究官 1999年東京大学教養学部卒業、2001年同大学院総合文化研究科国際社会科学専攻修士課程修了。2001年に内閣府に入府し、同年より経済財政政策担当。2004年ジョージタウン大学大学院経済学博士課程留学、2006年内閣府国民生活局企画課、2007年慶應義塾大学経済学部非常勤講師、2009年金融庁総務企画局市場課課長補佐等を経て、2011年より京都大学経済研究所准教授(附属先端政策分析研究センター所属)、2014年8月より現職。 主要業績に、「日本の包括的富の推計」(『KIERディスカッション・ペーパー』No. 1404、2014年、『エコロジー経済学:原理と応用』(ハーマン・デイリー他著、翻訳、NTT出版、2014年)、『グリーン成長の経済学』(共著、昭和堂、2013年)、「到来するグリーンエコノミー」(連載、『日経エコロジー』2011年11月号〜2012年5月号)ほか。
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