歴史としての大衆消費社会
高度成長とは何だったのか?
第1章 本書の目的 通説への懐疑と対立仮説/二つの消費社会/二段階の近代化/限定合理性/分厚い中 間層と大衆/その後の消費社会
第2章 消費の社会的枠組み 1 生活様式としての消費 2 消費の社会的枠組みの形成過程 2.1 第一段階:自己保存と承認をめぐる闘争 2.2 第二段階:宗教の変化と他者関係 2.3 第三段階:市場の拡大 3 日本の経済行動における儒教の影響 3.1 近世の通俗道徳 3.2 経済行動における仏教的要素と儒教的要素 4 限定合理性
第3章 二つの消費経済社会 1 近代以降の二つの消費経済社会 2 消費行動の不変性 3 近代化と生活様式の変化 3.1 和魂洋才と生活様式 3.2 近代化と生活様式の不変性 3.3 生活様式の根源性
第4章 近代化戦略における戦前・戦後 1 二段階の近代化 2 戦前の近代化 2.1 在来産業と発展戦略 2.2 戦前における中流階級・新中間層および大衆 2.3 供給サイド:在来生産における質変動への対応 2.4 消費需要における新しい価値の発見 2.5 戦前的戦略の欠陥 3 戦争と敗戦から戦後へ 3.1 近代的耐久消費財生産の1955年以降の急増 3.2 国体論における顕教・密教説 3.3 近代化環境への適応としての消費パターンの変化 4 日本の経済システムの捉え方
第5章 大衆消費社会の出現と衰亡 1 大衆の出現とその特質 1.1 中流意識の生成 1.2 中間層の大衆性 2 所得分配の平等化と身分格差 2.1 高度成長期経済システムの3側面 2.2 ブルーカラーのホワイトカラー化 3 所得分配、身分の平等化と大衆の出現 4 高度成長とは何であったか 4.1 高度成長のメカニズム 4.2 準拠軸の喪失と若者たち 4.3 日本型経済システム論の隆盛 4.4 管理社会化 4.5 株主vs 銀行 vs 経営者 4.6 日本と欧米の戦後における所得分配
第6章 消費社会の今後 1 1980年代以降の消費社会の伝統回帰 1.1 ポスト・モダン消費文化論 1.2 消費財の需給構造の変化 1.3 他者関係の伝統回帰 1.4 伝統回帰の持続可能性 2 消費不況と日本経済
第7章 結語 高度成長の呪縛を越えて 自己実現志向的な個人からなる社会/身近なグローバリズム/消費者の視点からのもの づくり
あとがき 参考文献 索 引
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