アートはいつ、どのように、誰によって「アート」になるのか?
▼誰もがアーティストになりうる時代の「創造のプロセス」を鮮やかに解明し、全包括的な「アート・ワールド」の理論を提示する、アメリカを代表する社会学者ベッカーの傑作。 ▼アート作品は、才能あるアーティストだけではなく、アーティストや作品を取り巻く人々で成り立つ「アート・ワールド」によってうみだされる。本書では、この「アート・ワールド」の仕組みをあきらかにすることで、「何がアートを成立させるのか」「何がアートとクラフトを区別するのか」「アート・ワールドでの自分の役割はどんな意味を持つのか」「なぜ自分の作品は望ましい評価を得ていないのか」「どうすれば自分の作品をふさわしい受け手に見てもらえるのか」など、あらゆるアートやクラフト関係者が抱くであろう基本的な疑問に、民主主義的な回答を与えている。 ▼アマチュア作品やマイナー作品をも包摂しうる、アート・ワールドの理論を示した快著。
美術手帖 株式会社美術出版社、7月号で、ご紹介いただきました。 本書はこちら
日本経済新聞 2016年5月8日、読書面21面)に書評が掲載されました。
『アート・ワールド』の日本の読者への言葉 25周年記念版へのまえがき 初版へのまえがき 謝 辞 図版一覧
1 アート・ワールドと集合的行為 2 規 則 3 資源を動員する 4 アート作品を分配する 5 美学、美学者および批評家 6 アートと国家 7 編集する 8 統合された職業人、一匹狼、フォーク・アーティスト、そしてナイーブ・アーティスト 9 アートとクラフト 10 アート・ワールドの変化 11 評 判 12 25周年記念版へのエピローグ
……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 ハワード・S・ベッカー(Howard Saul Becker) 1928年イリノイ州シカゴ生。社会学者。ノースウェスタン大学、ワシントン大学、カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授。戦後シカゴ学派の一人でラベリング理論を提唱。ジャズピアニストでもある。著書は他に『完訳アウトサイダーズ ラベリング理論再考』(現代人文社、2011)、『社会学の技法』(恒星社厚生閣、2012)、『ベッカー先生の論文教室』(慶應義塾大学出版会、2012)など多数。
【訳者】 後藤 将之(ごとう まさゆき) 1957年神奈川県生。東京大学教養学科(相関社会科学)、同大学院社会学研究科(社会学修士)、カリフォルニア大学サンタバーバラ校社会学大学院(Ph.D. in Sociology)。東大新聞研究所助手、文部省放送教育開発センター助教授、現在成城大学教授。著書『ジョージ・ハーバート・ミード』(1988)、訳書シブタニ『流言と社会』(共訳 1985)、ブルーマー『シンボリック相互作用論』(1991)など。
|