現代インドのカーストと不可触民
都市下層民のエスノグラフィー
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▼差別と困難に抗う新たな「不可触民」像
大都市デリーを舞台に、清掃カースト(バールミーキ)の人びとの声と運動からカーストの変容と現代的特質に迫る。
「自由・平等・民主主義」が憲法上保障された独立後のインドにおいて、カーストや不可触民差別というインド社会を特徴づけてきた問題はどのように変容しているのか? 不可触民とされてきた人びとをとりまく福祉政策の現状と課題、さらに、かれらにたいする減ることのない暴力・差別行為に抗する組織的活動や地位向上運動から、カーストの現代的特質を論じる。 デリーの清掃カースト・コミュニティにておこなってきたフィールドワークをもとにした意欲作。


南アジア研究 28号(2018年)に書評が掲載されました。評者は三宅博之氏(北九州市立大学)です。
三田社会学 22号(2017年)に書評が掲載されました。評者は舟橋健太氏(人間文化研究機構/龍谷大学研究員) です。 詳細はこちら
アジア経済 vol.58, no.2(2017年6月)「書評」(p.173)に掲載されました。評者は篠田隆氏(大東文化大学)です。

第1章 カースト、不可触民差別は過去のものか? 1 社会的現実としてのカースト 2 清掃カーストに関する研究の成果と課題 (1) カーストとは何か (2) カースト研究の三つのアプローチ (3) 不可触民(ダリト)研究 (4) 清掃カースト研究 3 カースト、不可触民問題の現代的特質と本研究の視座 4 本書の構成
第2章 デリーの横顔 1 デリーの概観 (1) デリーの地理的特徴 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
鈴木 真弥(すずき まや) 1976年神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部南西アジア課程ヒンディー語専攻卒業、Jawaharlal Nehru University, School of Social Sciences, Centre for the Studies of Social Systems, M.A. (Sociology)修了、 慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員(PD)などを経て、現在、人間文化研究機構地域研究推進センター研究員(東京外国語大学特定研究員)。 専門は社会学、南アジア地域研究。 主な著作に「現代ダリト運動の射程」(共著、粟屋利江・井坂理穂・井上貴子編『現代インド5 周縁からの声』東京大学出版会、2015年)、「突破口としての司法」(石坂晋哉編『インドの社会運動と民主主義』昭和堂、2015年)、「被差別民の『解放』をめぐるインド社会とNGOの分析」(『解放社会学研究』21、2007年)など。
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