▼グローバル市民はこうして生まれた
多様なルーツをもつ人々が共に暮らすとは、どういうことだろうか? 外国人を単なる「労働力」とみなす発想は、決して豊かさをもたらさない。 共に学び、共に遊び、共に働き、共に祈り、共に弔う。 それは人々の<人生を受け入れる>ことであり、<生を保障する>ことである。
「日本で最も外国人の集まる街」=「新宿」の外国人問題について長年にわたりフィールドワークを続けてきた著者が、都市のグローバル化の実態と経験を「ライフサイクル」の視点で描き出す。
移民政策研究 Vol. 9(2017年5月)「書評」(p.182)に掲載されました。評者は、藤巻秀樹氏(北海道教育大学教授)です。
まえがき
序 章 1 本書の目的 2 時代的背景と今日的意義 3 分析視角 (1)ライフサイクルの視座 / (2)オーラル・ヒストリーにおける多文化意識 / (3)多文化家 族の実態とマルチエスニック・コミュニティ 4 先行研究の考察 (1)新宿を舞台としたトランスディシプリナリー・アプローチ / (2)文化人類学的アプロー チ / (3)個人心理学的アプローチ 5 調査の動機と概要 6 本書の構成
……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
川村 千鶴子(かわむら ちずこ) 大東文化大学環境創造学部教授、博士(学術)Ph.D.(総合研究大学院大学) 慶應義塾大学商学部卒業、多文化教育研究所所長、大東文化大学環境創造学部助教授を経て現職(2013〜15年、同学部長)。日本島嶼学会理事、日本オーラル・ヒストリー学会理事、移民政策学会理事などを歴任。 専門は、人の移動の人類学、多文化社会論、移民政策 主な著書に、『多民族共生の街・新宿の底力』(編著、明石書店、1998年)、『創造する対話力 ―― 多文化共生社会の航海術』(税務経理協会、2001年)、『異文化間介護と多文化共生 ―― 誰が介護を担うのか』(編著、明石書店、2007年)、『「移民国家日本」と多文化共生論』(編著、明石書店、2008年)、『移民政策へのアプローチ ―― ライフサイクルと多文化共生』(編著、明石書店、2009年)、『移動する人々と日本社会』(編著、ナカニシヤ出版、2013年)、『多文化社会の教育課題 ―― 学びの多様性と学習権の保障』(編著、明石書店、2014年)ほか多数。
|