経済学はどのような問題に答えようとしているのか 「科学と道徳哲学」の関係や、「生産と分配」の問題を中心に、古典から現代までを見通す
本書は、経済学がこれまでどのような問題と取り組み、どのような考え方を重視し、何について議論してきたのかを明らかにし、経済学の歴史、多様性、方法論を理解することで、現代の経済学がどのような問題に答えようとしているのかを知るためのものである。 そのため、道徳哲学的な考察が明らかにされている古典派経済学を重視し、「科学と道徳哲学」の関係や、「生産と分配」の問題を中心に古典から現代までの経済学の発展過程を描く。経済学の領域にとどまらず、広く現代社会の成り立ちを考える上での出発点となる一冊。


経済学史研究 57巻2号(2016年1月)「書評」に石井信之氏(青山学院大学名誉教授)より書評をいただきました。
経済セミナー No.682(2015年2・3月号)「新刊書紹介」に掲載されました。

はしがき 経済学の歴史的連関図
序 章 なぜ経済学の歴史を学ぶのか 1 経済学の歴史を学ぶことの意義 2 テキストの構成と使い方 3 経済学の歴史を学ぶ方法論について 4 経済学の歴史に関する本書の立場
第1部 古典派経済学
第1章 経済学の誕生前史 1 経済学の誕生までの経済史的背景 2 思想的背景 3 政治哲学の革命 4 スミスの『道徳感情論』(1759) 5 まとめ
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著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
小畑 二郎(おばた じろう) 立正大学経済学部教授・筑波大学名誉教授。博士(経済学)。 1970年慶應義塾大学経済学部卒業、1977年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。財団法人日本証券経済研究所研究員、筑波大学社会科学系講師を経て、1995年筑波大学教授、2010年より現職。1993〜94年米国ジョージメイソン大学公共選択研究センター客員研究員、2003年カナダ、アカディア大学客員教授。専門は、経済学および経済思想の歴史、金融史、経済哲学。 主な著書に『ヒックスと時間――貨幣・資本理論と歴史理論との総合』(慶應義塾大学出版会、2011年)、『ケインズの思想――不確実性の倫理と貨幣・資本政策』(慶應義塾大学出版会、2007年)、『アメリカの金融市場と投資銀行業』(東洋経済新報社、1988年)、訳書にJ.ブキャナン著『倫理の経済学』(有斐閣、1997年)等がある。
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