国境を越えてなお有効な統治の仕組みというものは、果たしてあり得るのか? あるとすれば、誰がいかにしてパワーを行使するのか? グローバル時代の国際社会規範を探る!
グローバル化にともない、国境を越えた組織や活動を統治する主体と方法に劇的な変質が見られる。本書はこれを「統治革命」とよび、狭義の「法」のみならず、法的拘束力のないルールや規範(ソフトロー)に焦点を当てて、その本質とメカニズムを明らかにする。また、「国境を越える統治(トランスナショナル・ガバナンス)」の仕組みの構築と発展を検討することを通じて、トランスナショナル企業や国際NGOなどの組織が持続的に活動するにあたって必要となる「戦略」と「選択肢」を論ずる。
はしがき
序 章 グローバル化とトランスナショナル・ガバナンス 1) 何故、グローバル化とトランスナショナル・ガバナンスなのか? 2) グローバル化についての2つの論点(その1): 貿易の変質と国際分業システム 3) グローバル化についての2つの論点(その2): 市場化原理と格差拡大 4) ガバナンスとは何か? 5) 本書の構成
第T部 トランスナショナル化とガバナンスの変質
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杉浦 章介(すぎうら のりゆき) 慶應義塾大学名誉教授。Ph.D.(地理学、ペンシルベニア州立大学、1983年) 1947年生まれ。1971年慶應義塾大学経済学部経済学科卒業、1975年同大学大学院社会学研究科修士課程修了、1985年同博士課程単位取得退学。慶應義塾大学経済学部助手、同助教授、同教授を歴任。 主要著書:『都市経済論』(岩波書店、2003年)、『人文地理学――その主題と課題』(共著、慶應義塾大学出版会、2005年)、『トランスナショナル化する世界――経済地理学の視点から』(慶應義塾大学出版会、2009年)、『ジオ・メディアの系譜――進化する地表像の世界』(共著、慶應義塾大学出版会、2010年)など。
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