革命と騒乱のエジプト
ソーシャルメディアとピーク・オイルの政治学
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エジプトで、何が、起きているのか 2011年の革命、2013年の騒乱とその後を 情報通信技術とエネルギー関連技術の視角から 鮮やかに読み解く、俊英の快著。
エジプトで、何が、起きているのか。 2011年、アラブの春に湧いたエジプト。しかし、ムバーラクの後を継いだモルシー政権は2013年の騒乱であっけなく崩壊する。いったい、エジプトで何が起きているのか。 本書は、いわゆる「アラブの春」とその後の混乱について、こうした政変が発生する背景やメカニズムを国際社会の構造変化という視点から明らかにする。 技術は、政治を、社会を、経済を、その地域固有の文化をも変える力を持っている。時には、予測もつかない方向に、そして、予期せぬ規模での変化をもたらすこともある。本書が描くエジプト政変にも技術が深く関わっている。エジプトのケースで注目すべき技術とは、情報通信技術(ICT)とエネルギー関連技術の2つである。 エジプトの政変は、より深いレベルでは、現在、国際社会において進行しつつある構造的変化と密接に関連している。本書は、エジプト政変のメカニズムを精緻に分析することで、今後、国際社会が直面する構造的変化とそのインパクトについての示唆をも導き出す。
図書新聞 第3186号(2014年12月13日)(3面)に書評が掲載されました。評者は池田明史氏(東洋英和女学院大学学長)です。
日本経済新聞 2014年10月5日 読書面(19面)「この一冊」欄に書評が掲載されました。評者は日本エネルギー経済研究所研究理事 保坂修司氏です。
季刊アラブ No.150 (2014年秋号)「Books」に書評が掲載されました。評者は防衛大学名誉教授 立山良司氏です。
序 章
第1章 タハリールⅠ ―― 誰も予測できなかった政治変動 1-1 突然の変化 1-2 世襲を阻止せよ 1-3 政治変動を担ったアクターたち 1-4 幻の「白い革命」 1-5 タハリールⅠとタハリールⅡ
第2章 革命2・0 ―― 新しい時代の「革命」か? 2-1 インターネット時代の政治変動 2-2 エジプトにおけるインターネットの歴史と構造 2-3 革命2・0 2-4 ソーシャルメディアと民主化運動
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著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
山本達也(やまもと・たつや) 清泉女子大学文学部地球市民学科准教授。NPO法人もったいない学会理事。 1975年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。シリア国立アレッポ大学学術交流日本センター主幹・客員研究員、国際協力機構(JICA)準客員研究員、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、日本国際問題研究所中東政治変動研究会委員などを経て現職。専攻は、国際関係論、公共政策論、情報社会論。 著書に『アラブ諸国の情報統制――インターネット・コントロールの政治学』(慶應義塾大学出版会、2008年)、『政治の見方』(共編著、八千代出版、2010年)、『イスラームの豊かさを考える』(共著、丸善出版、2011年)、『ネットの高い壁――新たな国境紛争と文化衝突』(共著、NTT出版、2009年)、『政策過程分析の最前線』(共著、慶應義塾大学出版会、2008年)、『国家の現在』(共著、芦書房、2007年)など。
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