浮世絵とパトロン
天皇・将軍・大名の愛した名品たち
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浮世絵は庶民だけのものではなかった!?
葛飾北斎『西瓜図』、月岡雪鼎『正月羽根突き美人図』、歌川国芳『山王祭礼』、勝川春章『婦女風俗十二ケ月』、鳥文斎栄之『朝顔美人図』などの名品の数々を、天皇や将軍や大名たちはどのように愛し収集したのか。 ▼江戸初期から幕末までの作品を丁寧に読み解き、浮世絵の文化的・歴史的背景を浮き彫りにする。
はじめに
第一章 浮世絵の歴史と受容――庶民のケース 浮世絵の誕生 / 菱川師宣と浮世絵以降 / 浮世絵版画の売価 生き残りをかけた真剣勝負の場
第二章 市井の風俗画を愛でた天皇・皇族たち 1 北斎の静物画と光格天皇――『西瓜図』をめぐる考察 都の貴族と絵画 / 『西瓜図』の解剖 / 静物画の意味 2 栄之の隅田川図と後桜町上皇――『吉原通い図巻』 女帝が愛でた絵巻物 / 妙法院宮の絵好き / 隅田川図と吉原通い図 3 月岡雪鼎と皇族・公家たち― ……
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内藤 正人(ないとう まさと) 1963年愛知県名古屋市生まれ。1988年慶應義塾大学大学院修士課程修了。出光美術館主任学芸員を経て、現在、慶應義塾大学文学部教授、慶應義塾大学アート・センター所長。博士 (美学)。専門は日本美術史。著作に、『江戸の人気浮世絵師――俗とアートを究めた15人』 (幻冬舎新書、2012年)、『勝川春章と天明期の浮世絵美人画』 (東京大学出版会、2012年)、『新撰 歌川広重 保永堂版 「東海道五十三次」 神髄集成』 (小学館、2011年)など。
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