浮世絵とパトロン
天皇・将軍・大名の愛した名品たち

はじめに
第一章 浮世絵の歴史と受容――庶民のケース 浮世絵の誕生 / 菱川師宣と浮世絵以降 / 浮世絵版画の売価 生き残りをかけた真剣勝負の場
第二章 市井の風俗画を愛でた天皇・皇族たち 1 北斎の静物画と光格天皇――『西瓜図』をめぐる考察 都の貴族と絵画 / 『西瓜図』の解剖 / 静物画の意味 2 栄之の隅田川図と後桜町上皇――『吉原通い図巻』 女帝が愛でた絵巻物 / 妙法院宮の絵好き / 隅田川図と吉原通い図 3 月岡雪鼎と皇族・公家たち――『正月羽根突き美人図』 僧位をもらう絵師 / 「大内裏御殿拝領」の美人画 / 『騎牛吹笛美人図』の再検討
第三章 鷹狩りの余興に、浮世絵師を呼び寄せた天下の将軍 将軍と絵画 / 御前揮毫の真実 / 御上覧はしばしば? / 御前揮毫はいつ?
第四章 国貞・国芳・広重の錦絵版画を楽しんだ尾張藩の幼君 御三家尾張徳川家の什宝 / 藩主慶臧の遺愛品 / 天下祭絵巻の謎
第五章 浮世絵贔屓の正横綱、松浦静山公 随筆『甲子夜話』筆者の素顔 / 静山コレクションの全貌
第六章 築山御殿の美人たち――大和郡山藩の俳諧大名 大名俳人と浮世絵師 / 信鴻と春章との接点 / 築山御殿の謎――大名庭園を描く風俗画 / 蓬萊島と園内の景色
第七章 寛政改革の立役者――白河候松平定信の素顔 能吏か趣味人か / 錦絵を貼り込んだ巻物
第八章 広重二題――天童藩・阿波藩との逸事 天童藩が発注した大量の画幅 / 阿波藩蜂須賀家所蔵の名所画帖
第九章 浮世絵に現をぬかした貴人たち
補 章 浮世絵――貴人の肖像画 亡き愛妻を絵位牌にした暴君 / 像の主と依頼者 / 肖像画を自身の身代わりとした賢君
コラム 浮世絵の語源 / 江戸時代に海外へ渡った浮世絵 / 知られざる浮世絵の名匠たち / 浮世絵の価格
あとがき 新版の刊行にあたって
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