怪奇と恐怖の文学世界へようこそ。
▼「ゴシック小説」とは、18世紀末〜19世紀の英国で興隆した「恐怖小説」のことである。 本書では、主に19世紀英国の「ゴシック小説」を取り上げ、現在にいたるゴシック的物語の系譜をたどっていきながら、「怪物」、「旅」、「写真」、「博物館」、「自己像」という視点から読み解き、その成り立ちと物語構造を明らかにする。 ▼『ケイレブ・ウィリアムズ』、『フランケンシュタイン』、『ドリアン・グレイの肖像』――。怪奇と驚異に満ちた「英国ゴシック小説」入門編。
ハヤカワ ミステリ マガジン No. 701(2013年7月号)に書評が掲載されました(評者:松坂健氏 頁数:206)。
S-Fマガジン 2013年8月号に書評が掲載されました(評者:長山靖生氏 頁数:121)。
はじめに
第1部 ゴシック小説の物語構造
第1章 旅と秘密 『ケイレブ・ウィリアムズ』と『フランケンシュタイン』 ゴシック的装置としての旅/ゴシック・アイコンの誕生/ゴシック小説と非日常/ 怪異の条件/『ケイレブ・ウィリアムズ』/秘密による隔絶/『フランケンシュタイ ン』/辺境の後退/旅の始まりと景色を見る旅/エンクロージャーと景観改良/ 旅の同行者たち/旅の終わりと秘密の解消
第2章 ユートピアと怪物 ありえない場所とありえない ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
坂本 光(さかもと ひかる) 1961年生まれ。1991年慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程単位取得退学。慶應義塾大学文学部教授。専門は19〜20世紀の非イングランド系英文学、特にゴシック小説。著作に『情の技法』(共著、慶應義塾大学出版会、2006)、『イギリス文学と旅のナラティブ』(共著、慶應義塾大学出版会、2004)など。
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