サンゴ礁の生活が教えてくれる 環境とは? 文明とは? そして人間とは?
▼サンゴ礁の生活は「自然と人間の関係が、縫い目のない一枚の布に織りあげられている」――。地球上の人類生存のフロンティアであったサンゴ礁に暮らす人々は、厳しい自然環境のなかで豊かな生活体系を作り上げてきた。40年余にわたってポリネシアのサンゴ礁で調査活動を行ってきた著者が書き留めたフィールドノートは、自然との付き合い方を忘れ、時に牙を剝く自然を恐れるだけの現代人に、豊かな示唆を与える。
日本サンゴ礁学会 ニュースレターNo.56にて書評をいただきました。(評者:日本自然保護協会理事/国士舘大学 中井達郎氏)
はじめに
サンゴ礁と人間 クムリポ ―サンゴ礁とは何か
サンゴ礁の砂の島 人間が島にやって来た 命の水がめ ヒクが植えたココヤシの木 森をつくるーサンゴ礁の島のアグロフォレストリー タロイモの水田、それは命の源 モツのおきて ―共有地で資源を守る アカ・タワ ― みんなで分けあう 島の語られる歴史 ウミガメの儀礼 ワカ爺さんの死 アカ・タマリキ! サンゴ礁の料理 釣り針の輝き ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
近森 正(ちかもり まさし)
慶應義塾大学名誉教授 1935年生まれ。1959年慶應義塾大学文学部卒業、1965年同大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。1963年慶應義塾大学文学部助手。1979年〜2001年慶應義塾大学文学部教授(民族学考古学専攻)。1964年ソロモン諸島の調査に参加以来、レンネル島、クック諸島、ニューギニア、バヌアツ、ロイヤル諸島、仏領ポリネシア、マーシャル、ツバルなど40年余にわたって南太平洋で考古学・民族学の調査、サンゴ礁の人間・社会について研究を行う。元日本サンゴ礁学会副会長。 著訳書に『サンゴ礁の民族考古学――レンネル島の文化と適応』(雄山閣、1988年)、『サンゴ礁の景観史――クック諸島調査の論集』(編著 慶應義塾大学出版会、2008年)、『キキ自伝―未開と文明のはざまで』(訳 学生社、1978年) など。
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