慶應義塾大学 ソニー寄附講座 連続公開シンポジウム
人類・社会の新たなる発展を目指して I
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2009年に開始された、慶應義塾大学とソニー株式会社による次世代技術系人材育成協働プロジェクトによる公開シンポジウム「人類・社会の新たなる発展を目指して」を全3巻で書籍化。
大学・産業界を問わず、また、理工学分野に限らず、さまざまな分野の第一人者とともに、人類・社会の今後と科学・技術の関係を深く考察する。
第1巻は2009年に開催された3回のシンポジウムをまとめたもの。それぞれ教育・医療・経済をテーマに各分野のトップランナーを迎えて議論を進めた。講演者は、茂木健一郎氏(ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー)、前野隆司氏(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)ほか。
【開講にあたって】 清家 篤 【ご挨拶】 中鉢 良治
はじめに 所 眞理雄
第1回 これからの教育を考える “偶有性”への適応 茂木健一郎 要素の教育からシステム教育へ ―ビッグピクチャを描ける人材をいかに育成するか? 前野 隆司 総合討論
第2回 これからの医療と生物学 がん治療薬開発の現状と課題 小谷 秀仁 抗がん剤とシステムバイオロジー 北野 宏明 がん幹細胞 須田 年生 総合討論
第3回 これからの地球環境と経済 成長幻想を捨て、 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【編者】 所 眞理雄(ところ まりお) 慶應義塾大学大学院理工学研究科特任教授(ソニー寄附講座) 株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役会長 慶應義塾大学大学院博士課程修了(工学博士)。同大学助手、専任講師、助教授を経て、1991年教授に就任。その間、カナダ・ウォータールー大学、米カーネギーメロン大学訪問助教授を歴任。1988年に株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所を設立し、取締役副所長(兼務)に就任。1998年に代表取締役社長、2011年に代表取締役会長に就任し、現在に至る。1997年に慶應義塾を退職してソニー株式会社に入社し、執行役員上席常務に就任。IT研究所長、Co-CTO などを歴任し、2008年に退任。2009年に慶應義塾特別研究教授に就任し、現在に至る。計算機科学ならびに技術経営に関する多くの経験を基に、科学・技術の新たな方法論としてオープンシステムサイエンスを提唱している。
【講演者】 茂木 健一郎(もぎ けんいちろう) 1962年東京生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。脳科学者。東京工業大学大学院連携教授(脳科学、認知科学)、東京芸術大学非常勤講師(美術解剖学)、東京大学などの非常勤講師もつとめる。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。
前野 隆司(まえの たかし) 1962年山口生まれ。1984年東工大卒。1986年東工大修士課程修了。同年キヤノン株式会社入社。カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部専任講師、助教授、教授、ハーバード大学客員教員を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。博士(工学)。
小谷 秀仁(こたに ひでひと) 万有製薬執行役員コーポレートサービス担当兼社長室長(現職:MSD株式会社執行役員営業本部長 兼 事業開発統括兼社長室長)。トーマス・ジェファーソン大学病院キンメル癌センター博士課程修了。マサチューセッツ工科大学ホワイトヘッド生物医学研究所を経て、米国ファイザー製薬中央研究所勤務の後、1998年に万有製薬株式会社創薬研究所に研究員として入社。がん研究部部長兼ファンクショナルゲノム部長等を歴任し、2009年7月より万有製薬執行役員コーポレートサービス担当兼社長室長に就任。
北野 宏明(きたの ひろあき) 1962年埼玉県生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長。特定非営利活動法人システム・バイオロジー(SB)研究機構会長(兼務)。東京大学客員教授、財団法人癌研究会癌研究所SB部部長他。ロボカップ国際委員会ファウンディング・プレジデント。国際基督教大学教養学部理学科(物理学専攻)卒業。京都大学博士号(工学)取得。システムバイオロジーにもとづく創薬やヘルスケアを推進している。
須田 年生(すだ としお) 1949年生まれ。慶應義塾大学医学部 発生・分化生物学教室教授、総合医科学研究センター長。横浜市立大学医学部を卒業後臨床に従事、その後自治医科大学において研究活動を開始。熊本大学教授を経て、2002年4月より現職。医学博士。専門は幹細胞生物学。1991年および2004年ベルツ賞受賞。
高安 秀樹(たかやす ひでき) 名古屋大学大学院理学研究科修了、理学博士。京都大学理学部特別研究員、神戸大学理学部助手・助教授、東北大学情報科学研究科教授を経て、現在、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。 著書は、『フラクタル』(朝倉書店)、『経済物理学の発見』(光文社)など。物理学の視点から経済現象を解析する経済物理学のパイオニア。
西成 活裕(にしなり かつひろ) 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。ケルン大学理論物理学研究所(ドイツ)、東京大学大学院工学研究科准教授などを経て現在、東京大学先端科学技術研究センター教授。NPO法人日本国際ムダどり学会会長。専門は数理物理学。 著書『渋滞学』(新潮選書)は講談社科学出版賞などを受賞。また、日本テレビ「世界一受けたい授業!」など、多くのテレビ、ラジオ、新聞などでも活躍している。
細田 衛士(ほそだ えいじ) 慶應義塾大学経済学部教授。慶應義塾大学経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。同学部助手、助教授、英国マンチェスター大学ブリティッシュ・カウンシル・スカラーとしての留学を経て慶應義塾大学経済学部教授、現在に至る。2001〜2005年同大学経済学部長。経済産業省産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会委員、環境省中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会委員などを務める。
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