西部戦線異状あり
第一次世界大戦とイギリス女性作家たち
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第一次世界大戦は女性の社会進出の契機にもなり、さまざまな新しい価値観がもたらされた。 本書に取り上げられたイギリスの女性作家たちは、必ずしも第一次世界大戦をテーマに筆を執っているわけではない。しかし、戦争の時代を生きたすぐれた女性作家たちのその作品からはトラウマティックな戦争体験が透けて見える。そしてむしろその声は直接的に戦争に関わらざるをえなかった男たちよりも雄弁でさえある。 イギリスを代表する8人の女性作家たちの、それぞれの第一次世界大戦を気鋭の研究者が読み解く。

はじめに戦争ありき 河内恵子
戦争の影をを求めて ―『歯科記録』からドロシー・リチャードソンの『遍歴』を読む 大道千穂
女たちの戦争 ―レベッカ・ウェストの『兵士の帰還』を読む 大道千穂
もう一人のジェイコブ ―ヴァージニア・ウルフの『ジェイコブの部屋』と戦争 出渕敬子
不在の戦争、あるいは享楽の反復 ―キャサリン・マンスフィールドの「至福」を読む 遠藤不比人
心に開いた生の傷 ―メイ・シンクレアの『ロマンティック』を読む ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【編者】 河内恵子(かわち けいこ) 慶應義塾大学文学部教授 専門分野:近代・現代イギリス小説、オスカー・ワイルドを中心とする19世紀末文学
【著者】 出渕敬子(いずふち けいこ) 日本女子大学名誉教授 専門分野:イギリス文学
上田敦子(うえだ あつこ) 頌栄女子学院中学校・高等学校教諭 専門分野:イギリス文学 遠藤不比人(えんどう ふひと) 成蹊大学文学部教授 専門分野:イギリス文学 大道千穂(おおみち ちほ) 青山学院大学経営学部マーケティング学科准教授 専門分野:20世紀イギリス文学
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