ウェストファリア神話は真実か。 ▼国際法的にも西洋法制史的にも非常に重要な基点となる1648年のウェストファリア条約に関する世界的にも貴重な研究書。 ▼「ウェストファリア条約」 の実態をより正確に理解し、同条約を近代国際法や近代欧州国際関係の原点とする「ウェストファリア神話」、そしてその「神話」批判について問い直す。 ▼近代国際法学において本来唯一の法主体として観念されてきた近代主権国家やそれらによって構成される近代的国際関係、そして近代国際法自体の形成過程について考察する。


はしがき 凡例
序 論 (一)本書の問題意識と「ウェストファリア神話」 (二)「ウェストファリア神話」の影響 (三)「ウェストファリア神話」批判とその問題点 (四)「ウェストファリア神話」の背景と「歴史実用主義」及び「歴史の道具化」 (五)本書の目的と構成、そして方法とそれに伴う若干の問題点
第一部 ウェストファリア条約の全体像 第一章 ウェストファリア講和会議及び条約の概要と「当事者」 はじめに 第一節 ウェストファリア講和会議の概要 第二節 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
明石欽司(あかし きんじ) 慶應義塾大学法学部教授。法学博士(ユトレヒト大学、1996年)。 1958年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業、慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了、同博士課程中退。 海上保安大学校助手・専任講師、在ベルギー王国日本大使館専門調査員、ブリュッセル自由大学国際法研究所研究員、新潟国際情報大学情報文化学部助教授、慶應義塾大学助教授を経て現職。 "Cornelius van Bynkershoek: His Role in the History of International Law"(Kluwer Law International, 1998)で安達峯一郎賞を受賞。
|