戦後日本における市民意識の形成
戦争体験の世代間継承
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〈戦争の記憶〉を継承することの意味と可能性とは? ▼戦争体験とは、直接の戦場での体験だけでなく、被爆・空襲・疎開・引き揚げ・抑留体験など多様である。これらが複雑に交差しながら今日の日本社会に残している痕跡を再検討する。 ▼戦後世代による「語りを聴く」「体験を継承する」ことにともなう困難さ、〈記憶の継承〉の可能性という問題についても考察する。
巻頭言 安西祐一郎 刊行にあたって 小林良彰 序 浜日出夫
第1章 戦後社会と二つの戦争体験 野上 元 T 「兵士」と「市民」―「戦争体験」の定義をめぐって U 拡大する「戦場」 V 「兵士の戦争体験」の孤立 W 「銃後」の歴史社会学 X いま「戦争体験」「戦場体験」について考えることの意味とは?
第2章 暴力の跡と情動という知―〈ヒロシマ〉の跡を辿りながら 直野章子 はじめに T 不 ……
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【編者】 浜日出夫(はま ひでお) 慶應義塾大学文学部教授。 1980年、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程中退。 主要著作に、『社会学』(共著、有斐閣、2007年)、『逍遙する記憶(社会学の饗宴2)』(共著、三和書籍、2007年)、『戦後日本の社会と市民意識』(共著、慶應義塾大学出版会、2007年)など。
【執筆者】 野上 元(のがみ げん) 筑波大学大学院人文社会科学研究科准教授。 1999年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(社会情報学)。 主要著作に、『戦争体験の社会学』(弘文堂、2006年)、『カルチュラル・ポリティクス 1960/70』(共編、せりか書房、2005年)、『浮遊する記憶』(共著、青弓社、2005年)など。
直野章子(なおの あきこ) 九州大学大学院比較社会文化研究院准教授。 2002年、University of California, Santa Cruz, Ph.D.(社会学)。 主要著作に、『図録 原爆の絵』(監修・解説、岩波書店、2007年)、Beyond the Frame: Women of Color and Visual Representation (共著、Palgrave Macmillan, 2005)、『「原爆の絵」と出会う』(岩波書店、2004年)、『ヒロシマ・アメリカ』(渓水社、1997年。第3回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞)、.など。
蘭 信三(あららぎ しんぞう) 京都大学国際交流センター・大学院人間環境学研究科准教授。 1983年、京都大学大学院博士課程中退。 主要著作に、『「満洲」 記憶と歴史』(共著、京都大学学術出版会、2007年)、『満洲とは何だったのか』(共著、藤原書店、2004年)、『「中国帰国者」の生活世界』(編著、行路社、2000年)、『「満州移民」の歴史社会学』(行路社、1994年)など。
鈴木智之(すずき ともゆき) 法政大学社会学部教授。 1991年、慶應義塾大学社会学研究科博士課程単位取得退学。修士(社会学)。 主要著作に、『ケアとサポートの社会学』(共著、法政大学出版局、2007年)、J. デュボア『現実を語る小説家たち』(翻訳、法政大学出版局、2005年)、A. W. フランク『傷ついた物語の語り手―身体・病い・倫理』(翻訳、ゆみる出版、2002年)など。
エルダド・ナカル(Eldad Nakar) 元日本学術振興会外国人特別研究員・元慶應義塾大学大学院社会学研究科訪問研究員。 2003年、筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程修了、博士(社会学)。 主要著作に、‘Memories of Pilots and Planes – The Second World War in Japanese Manga, 1957-1967’. Social Science Japan Journal Vol.6, No.1: 57-76 (April), 2003, ‘Manga – From Center to Periphery, Back and Forth’. Tsukuba Annals of Sociology, No.14: 63-91, 2002,「他者の鼻―その視覚的な表現」.『現代社会理論研究』第11号: 78-92, 2001年など。
赤江達也(あかえ たつや) 日本学術振興会特別研究員。 2005年、筑波大学大学院博士課程社会科学研究科修了。博士(社会学)。 主要著作に、『カルチュラル・ポリティクス1960/70』(共著、せりか書房、2005年)、「〈ためらう〉身体の政治学」関東社会学会『年報社会学論集』(17号、2004年)、「メディアとしての(無)教会」現代社会理論研究会『現代社会理論研究』(12号、2002年)、「抵抗としてのファシズム」日本社会学会『社会学評論』(211号、2002年)など。
八木良広(やぎ よしひろ) 慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程。 主要著作に、『戦後日本の社会と市民意識』(共著、慶應義塾大学出版会、2005年)、「現代を生きる原爆被害者―被爆体験を語るという実践を手がかりに」『日本オーラル・ヒストリー研究』(創刊号、2006年)など。
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