戦後日本における市民意識の形成
戦争体験の世代間継承

巻頭言 安西祐一郎 刊行にあたって 小林良彰 序 浜日出夫
第1章 戦後社会と二つの戦争体験 野上 元 T 「兵士」と「市民」―「戦争体験」の定義をめぐって U 拡大する「戦場」 V 「兵士の戦争体験」の孤立 W 「銃後」の歴史社会学 X いま「戦争体験」「戦場体験」について考えることの意味とは?
第2章 暴力の跡と情動という知―〈ヒロシマ〉の跡を辿りながら 直野章子 はじめに T 不思議な出会い U 「不気味なもの」 V 不気味な記念碑 W 慰霊碑と「不気味なもの」 X フロイトの同一化理論 Y トラウマの感染と分析者 Z 想像の彼岸 [ 〈亡霊〉と暴力の跡 おわりに
第3章 戦後日本社会と満洲移民体験の語りつぎ 蘭 信三 はじめに―戦後社会と満洲移民体験 T 満洲体験を語ることの困難さ U 規定される語り、生成される語り V 体験を語るということ―語りの力、語りつぐ力 W 地域で体験を語りつぐということ―「満蒙開拓を語りつぐ会」の試み 結びにかえて
第4章 ある生存の記録―船越義彰『狂った季節』(1998年)に見る沖縄戦の記憶 鈴木智之 はじめに T 生存の記録 U “I am not Japanese soldier” V 彷徨の軌跡 W 「玉砕の論理」と「生への希望」 X 境界なき空間へ Y 語りを呼び起こす状況
第5章 天国から地獄へ―マンガから見た日本の第二次世界大戦の記憶:敗戦直後から1970年代まで エルダド・ナカル はじめに T 第二次世界大戦を題材とする日本のマンガ U 自己を映す鏡 V マンガの社会的枠組み
第6章 政教分離訴訟の生成と変容―戦後日本における市民運動と「戦争体験」 赤江達也 はじめに T 憲法と違反の同時発見 U 運動/対抗運動という循環 V 運動の変容、記憶の書き換え おわりに
第7章 被爆者の現実をいかに認識するか? ―体験者と非体験者の間の境界線をめぐって 八木良広 はじめに T 被爆者と非被爆者の間の境界線 U 体験者の特権性 V 被爆者にいかに対峙したか―石田忠、濱谷正晴 おわりに
索引
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