コレージュ・ド・フランス講義録を媒介に、1970年代後半のフーコーの問題系にフォーカス。 この時期のフーコーの関心は、社会防衛、セキュリティ、統治論、自由主義論などに あり、それらは私たちの(たとえば現在の日本の)日々の問題の核心とつながっている。 気鋭の論客たちが、理論、運動 - 政治、社会それぞれの側面から、フーコーを読み、 使いまわし、今日の社会・世界に向かう新たな視座を提示する。


朝日新聞 2007年11月24日夕刊(12面)「テークオフ」欄で紹介されました。 出版ニュース 2007年11月上旬号「ブックガイド」(20頁)で紹介されました。 図書新聞 2007年10月27日(2843号)「書評」欄で紹介されました。 毎日新聞 2007年10月24日朝刊(19面)で紹介されました。

序 高桑和巳 T 統治性 重田園江 戦争から統治へ――コレージュ・ド・フランス講義 高桑和巳 インセンティヴとは何か? U セキュリティ 芹沢一也 〈生存〉から〈生命〉へ――社会を管理する二つの装置 土佐弘之 グローバルな統治性 V 闘争 箱田 徹 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
[編者] 芹沢一也(せりざわ かずや) 1968年生まれ。Synodos主宰。京都造形芸術大学非常勤講師。 著書:『〈法〉から解放される権力 犯罪、狂気、貧困、そして大正デモクラシー』(新曜社、2001年)、『狂気と犯罪 なぜ日本は世界一の精神病国家になったのか』(講談社新書、2005年)、『ホラーハウス社会 法を犯した「少年」と「異常者」たち』(講談社新書、2006年)等。
高桑和巳(たかくわ かずみ) 1972年生まれ。慶應義塾大学理工学部専任講師。 訳書:ジョルジョ・アガンベン『人権の彼方に 政治哲学ノート』(以文社、2000年)、同『ホモ・サケル 主権権力と剥き出しの生』(以文社、2003年)、同『バートルビー 偶然性について』(月曜社、2005年)、ミシェル・フーコー『安全・領土・人口』(筑摩書房、2007年)等。
[執筆者](執筆順) 重田園江(おもだ そのえ) 1968年生まれ。明治大学政治経済学部准教授。 著書:『フーコーの穴 統計学と統治の現在』(木鐸社、2003年)。『帝国論』(共著、講談社、2006年)、『社会調査と権力 〈社会的なもの〉の危機と社会学』(世界思想社、2007年)。訳書:イアン・ハッキング『偶然を飼いならす 統計学と第二次科学革命』(石原英樹との共訳、木鐸社、1999年)等。
土佐弘之(とさ ひろゆき) 1959年生まれ。神戸大学大学院国際協力研究科教授。 著書:『アナーキカル・ガヴァナンス 批判的国際関係論の新展開』(御茶の水書房、2006年)、『安全保障という逆説』(青土社、2003年)、『グローバル/ジェンダー・ポリティクス 国際関係論とフェミニズム』(世界思想社、2000年)等。
箱田 徹(はこだ てつ) 1976年生まれ。神戸大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程。 論文:「エロスの技法を再考する フーコー統治論の形成過程」『社会思想史研究』第31号(藤原書店、2007年)、「夢と痕跡から夢見る主体へ 後期フーコーの主体概念への一考察」『社会思想史研究』第28号(藤原書店、2004年)。訳書:トニ・ネグリ「マルチチュードの存在論的定義に向けて」『非対称化する世界』(以文社、2005年)等。
廣瀬 純(ひろせ じゅん) 1971年生まれ。龍谷大学経営学部専任講師。仏・映画批評誌『VERTIGO』(Éditions Capricci)編集委員。著書:『美味しい料理の哲学』(河出書房新社、2005年)、『闘争の最小回路 南米の政治空間に学ぶ変革のレッスン』(人文書院、2006年)等。
酒井隆史(さかい たかし) 1965年生まれ。大阪府立大学大学院人間社会学研究科准教授。 著書:『自由論 現在性の系譜学』(青土社、2001年)、『暴力の哲学』(河出書房新社、2004年)、『音の力 ストリートをとりもどせ』(共著、インパクト出版会、2002年)。訳書:スラヴォイ・ジジェク『否定的なもののもとへの滞留 カント、ヘーゲル、イデオロギー批判』(共訳、太田出版、1998年)、マイケル・ハート&アントニオ・ネグリ『〈帝国〉』(共訳、以文社、2003年)等。
渋谷 望(しぶや のぞむ) 1966年生まれ。千葉大学文学部准教授。 著書:『魂の労働 ネオリベラリズムの権力論』(青土社、2003年)、『エイジングと公共性』(共著、コロナ社、2002年)、『社会調査と権力 〈社会的なもの〉の危機と社会学』(共著、世界思想社、2007年)等。
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