20世紀後半を代表する経済学〈現代の古典〉、邦訳成る。 ▼20世紀後半を代表する経済学の古典的理論書An Evolutionary Theory of Economic Change,The Belknap Press of Harvard University Press, 1982の翻訳。 ▼技術革新が進み、経済社会の急速な変化によって将来の予測がより難しくなるなか、本書は「進化理論」を基に経済・社会のダイナミックな変動の解明のための理論を構築し、社会科学の新しいプラットフォームを提示している。出版以来、本書の影響は、経済学に留らず、社会学、政治学、経営学、歴史研究など、社会科学のほぼ全領域、さらには進化理論そのものへと拡がったのである。
日本経済新聞 2007年12月16日「読書」欄(23面)で紹介されました。
日本語版への序文 はじめに
第T部 概観と本書のねらい 第1章 序章 1. 議論されるべき概念――“正統派的”と“進化理論的” 2. 進化理論的モデル化 3. 本書のプラン
第2章 進化理論の必要性 1. 正統派による経済変動の取り扱いの不適切さ 2. 診断と処方箋 3. 進化理論の味方と先人 4. 経済学における実りある理論化の性質
第U部 経済進化理論の組織論的基礎 第3章 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 リチャード R.ネルソン(Richard R. Nelson) コロンビア大学教授。1956年にイエール大学より「マルサスの罠」に関する研究で博士号を取得。1957年からランド研究所でエコノミストとして活躍。そこで、本書の共著者であるシドニー・ウィンターと出会う。その後、大統領経済諮問委員会スタッフなどを経て、1968年からイエール大学で教鞭を取った。1981年から86年まで、同大学社会・政策研究所(Institution for Social and Policy Studies)所長を務める。87年よりコロンビア大学教授(政治学部、国際関係学部、ビジネススクール、ロースクール)。
シドニー G.ウィンター(Sidney G. Winter) ペンシルバニア大学教授。1964年イエール大学で博士号を取得。その後、イエール大学、ミシガン大学、カリフォルニア大学で教鞭を取り、93年よりペンシルバニア大学ウォートンスクールで経営学を教えている。99年より同経営政策・戦略・組織センターのディレクター。その他、ランド研究所エコノミスト、大統領経済諮問委員会スタッフ、General Accounting Officeの主任エコノミストを歴任。2001年から05年まで、国際シュンペーター学会副会長。
【訳者】 後藤晃(ごとう あきら) 公正取引委員会委員。一橋大学大学院経済研究科修了。1973年成蹊大学経済学部助教授。同教授を経て89年一橋大学経済学部教授。1993年一橋大学博士(経済学)。1997年一橋大学イノベーション研究センター教授。2001年東京大学先端経済工学研究センター教授。同センター所長、同大学先端科学技術センター教授を経て2007年より現職。
角南篤(すなみ あつし) 政策研究大学院大学准教授。ジョージタウン大学卒業。1989年の村総合研究所研究員、1997年サセックス大学科学政策研究所フェロー、2001年コロンビア大学PH. D. 取得。2001年、独立行政法人経済産業研究所TAGフェロー。2003年より現職。
田中辰雄(たなか たつお) 慶應義塾大学経済学部准教授。東京大学大学院経済学研究科修了。1991年国際大学グローバルコミュニケーションセンター研究員、97年コロンビア大学客員研究員を経て、1998年より現職。
|