音楽が紡ぐ『ファウスト』 ファウスト神話の原型、その音楽世界に到達するまでの道のりを明らかにするとともに、その発展に本質的に貢献をした音楽劇作品を紹介する。
本書は、日本図書館協会選定図書です。

親愛なる日本の読者の皆様へ 『ファウスト』世界へのご案内――翻訳者から読者の皆様へ はじめに
第一章 近代の神話 ファウスト博士の物語 / 語り手の意図 / 研究者の好奇心 ファウストとアウグスティヌス / 詩人の真実
第二章 ルイ・シュポアのオペラ『ファウスト』 ファウスト、オペラ舞台に登場 / シュポア 伝統と創作 リブレットの礎石 / ジャンル意識
第三章 詩人と音楽 ゲーテ 音楽性と《音 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
[著者] ハンス・ヨアヒム・クロイツァー(Hans Joachim Kreutzer) 1935年生まれ。ドイツ・レーゲンスブルク大学名誉教授・哲学博士。ヨーロッパ、アメリカ、アジアなどの海外の大学でも講義やセミナー、講演会等を行う。特にドイツ・ロマン派文学を代表する作家ハインリヒ・フォン・クライスト協会の会長を長年務め(現在は名誉会長)、『クライスト年鑑 Kleist-Jahrbuch』の編集・刊行を行うとともに、戦後中断していた「クライスト賞 Kleist-Preis」(ブレヒトなどが受賞したことで知られる)を復活させたという功績がある。ドイツ文学研究者としての研究成果はもとより、バッハ、ヘンデル、モーツアルト、シューベルトに関する音楽領域での発表論文や講演も多い。
[訳者] 石原 あえか(いしはら あえか) 慶應義塾大学商学部准教授 主な研究領域は近世ドイツ文学、特にゲーテ研究。ゲーテの後期長編小説と近代天文学の関係を論じた学位請求論文 Makarie und das Weltall. Astronomie in Goethes ?Wanderjahren“ (Ko¨ln/Weimar, 1998)で、ドイツ・ケルン大学より哲学博士号(Dr.phil.)取得。近著に Goethes Buch der Natur (Wu¨rzburg, 2005)がある。2005年、ゲーテと近代科学に関する研究成果に対してドイツ学術交流会(DAAD)より、若手独語独文学研究者のためのグリム兄弟奨励賞(Jacob-und-Wilhem-Grimm-Fo¨rderpreis)受賞。2006年、第3回日本独文学会賞(ドイツ語論文部門)受賞。2007年、第3回日本学術振興会賞および日本学士院学術奨励賞受賞。
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