イスラーム・シーア派の歴史・思想を概説。
▼イスラーム二大宗派の一つであるシーア派を、歴史・思考方法・教義の3つの側面から総合的に叙述する入門書&概説書。本書はシーア派の第一級の宗教学者によって執筆されたものであり、「シーア派によるシーア派入門」ともいえるもの。イランでは神学校教科書として読まれている。ただし、訳者による丁寧な解説により、日本の読者にはより客観的な理解が得られるようにした。 ▼著者タバータバーイーは、フランスのコルバンや日本の井筒俊彦など、非ムスリムの研究者とも交流をもつなど国際的に活躍した聖職者。本書は英語、フランス語、ドイツ語をはじめとする各国語に翻訳されるなど、国際的な評価がきわめて高い。(原著は1975年刊。)
本書は、日本図書館協会選定図書です。


訳者序(森本一夫) 凡例
序言(セイイェド・ホセイン・ナスル) シーア派研究 シーア派の根本要素 シーア派研究の現状 本書について 著者について
本論(セイイェド・モハンマド = ホセイン・タバータバーイー) はじめに 第一部 シーア派の歴史的背景 第一章 シーア派の生成と発展 シーア派のいできたり 少数派シーア派が多数派スンナ派から分離した理由と、両者の間での食い違いの現れ 後継者位と宗教的知識に関するマルジャウ ……
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[著者] セイイェド・モハンマド = ホセイン・タバータバーイー 十二イマーム派シーア派の著名な哲学者、クルアーン註釈学者。 1904〜1981年。生地タブリーズ(イラン)、ついでナジャフ(イラク)の神学校コンプレックスで学ぶ。1935-6年からタブリーズで教育活動に従事。1945年、ゴム(イラン)に移住。以後、同地を中心にイスラーム神秘主義哲学を主とした研究・教授活動に従事。著書は大部のクルアーン註釈『秤』など多数。
[訳者] 森本一夫(もりもと かずお) 東京大学東洋文化研究所助教授 1970年生。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程ならびにテヘラン大学人文学部大学院博士課程中退。博士(文学)。東京大学東洋文化研究所助手、北海道大学大学院文学研究科助教授を経て、2004年より現職。専攻はイスラーム宗教社会史。
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