福澤諭吉最晩年の代表著作に、厳密な考証による本文校訂と註釈を施した、研究者必携の書。『慶應義塾百年史』編纂に際して、富田正文を中心に発足した懇話会「自伝を読む会」での研究成果を盛り込んだ、「自伝」研究の集大成。 速記者(矢野由次郎)による口述筆記に、福澤自身が加筆修正した原稿を、2色刷で忠実に再現。(本文編:352頁) 幕末・維新期の歴史的資料などとの比較により、記載事項の意義をあらためて厳密に考証し、詳細に註解。(註釈編:428頁)
みすず 2007年1-2月号「2006年読書アンケート」(89頁)で紹介されました。
本文編(佐志 傳)
口絵(口述校訂原稿) 解題 一 福澤諭吉の啓蒙活動 二 『福翁自傳』の口述時期 三 『自伝』口述の準備 四 『福翁自傳』の諸本 五 本書の校訂方針 凡例
『福翁自傳』本文 (速記者による口述筆記に福澤自身が加筆修正した原稿を2色刷で忠実に再現。これまでに刊行された諸本との緻密な校合をおこない、異同を頭注に示した。本文ページ見本参照)
後記 一 『自傳』口述の契機 二 浄写本の筆者 三 昭和版全集本以外の諸本 四 口述 ……
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河北展生(かわきた のぶお) 大正10年生まれ。昭和18年9月慶應義塾大学文学部卒業。同年10月慶應義塾大学文学部助手。昭和39年4月慶應義塾大学文学部教授。昭和45年4月慶應義塾大学大学院文学研究科委員兼任。昭和61年4月慶應義塾福澤研究センター所長兼任。昭和62年3月慶應義塾大学定年退職。同年4月慶應義塾大学名誉教授、福澤研究センター顧問。 主な編著書に、『幕末史』(慶應義塾大学通信教育教材、昭和25年、慶應義塾)、『万延元年遣米使節資料集成 第一巻』(昭和36年、日米修好通商百年記念行事委員会)、『慶應義塾百年史』分担執筆(昭和33〜44年、慶應義塾)、『幕末の政争』(昭和43年、講談社)、『慶應義塾125年』編集(昭和58年、慶應義塾)等がある。 佐志 傳(さし つたえ) 昭和5年生まれ。昭和28年慶應義塾大学文学部卒業。昭和30年3月慶應義塾大学大学院文学研究科修了、文学修士。同年4月慶應義塾史編纂所事務員、のち所員。昭和40年4月慶應義塾高等学校教諭。昭和58年慶應義塾福澤研究センター所員兼務。平成8年3月慶應義塾定年退職。同年4月慶應義塾福澤研究センター顧問。 主な編著書に、『慶應義塾百年史』編集・分担執筆(昭和33〜40年、慶應義塾)、『交詢社百年史』編集・分担執筆(昭和58年、交詢社)、『慶應義塾125年』編集(昭和58年、慶應義塾)、『慶應義塾社中之約束』解説(昭和61年、慶應義塾福澤研究センター)、『慶應義塾豆百科』分担執筆(平成8年、慶應義塾)、マイクロフィルム版『福澤関係文書』編集・解説(平成元年〜10年、慶應義塾福澤研究センター)等がある。
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