赤本豆本の桃太郎から日本国の桃太郎へ変わる過程、明治初期のキリスト教の子供向け啓蒙書、明治 6 年「小学読本」の野球の挿絵等、文明開化期の日本の児童文化、児童文学について幅広く紹介している。

福澤諭吉と桃太郎 「ひゞのをしへ」の読者 「ひゞのをしへ」から『稚児話の友』までの二年間 福澤の子供本に於る国の思想の教育 『童蒙教草』の原本 福澤先生における滋≠フ探求 田中義廉の「小學讀本」とウィルソン・リーダー イソップの変容 少年向きジャーナリズムの勃興 近代児童出版を育てた人々 小学唱歌の登場 初期の創作児童文学について 若松賤子の「小公子」 巖谷小波について 巖谷小波と御伽草子 巖谷小波の痛みと楽天主義 巖谷小波のお伽噺 泉鏡花の童話「金時計」ほか ……
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桑原三郎(くわばら さぶろう) 1926年群馬県生まれ。1948年慶應義塾大学文学部心理学科卒業。慶應義塾幼稚舎教諭,慶應義塾大学文学部講師を経て,1990年白百合女子大学児童文学学科教授。1998年3月退職。日本児童文芸家協会顧問,慶應義塾福澤研究センター顧問。文学博士。 著書に『諭吉 小波 未明』(慶應義塾大学出版会,1979),『福澤諭吉と桃太郎』(慶應義塾大学出版会,1996),『児童文学の故郷』(岩波書店,1999),『随想集,下湧別村』(慶應義塾大学出版会,1999),編著に『鈴木三重吉童話全集』全10巻(文泉堂書店,1975),『日本児童文学名作集』(岩波文庫,1994),『小川未明童話集』(岩波文庫,1996),訳書にW. オードリー『機関車トーマス』シリーズ 全26巻(ポプラ社,1973)などがある。
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