時間とは何か? 「時間」こそが、私たちの人生を織りなす柱でありながら、 私たちを揺さぶり、困惑させ、高揚させ、宥めもする――。
時間を哲学するために必要なツールと知識をコンパクトにまとめ、 ジェイムズ、フッサール、ベルクソン、ホワイトヘッド、ハイデッガーの 実践から立体的に学ぶ、「時間の哲学」の決定版ガイドブック。
哲学とは、理論である前にツールであり、知識である前に技法である!
時間哲学の「風通し」と「見晴らし」を、同時に取り戻すために。 ジェイムズ、フッサール、ベルクソン、ホワイトヘッド、ハイデッガー。彼らの時間哲学には、不思議な引力がある。ページをめくれば、そこには圧倒的な世界が広がっている。だが、その磁場が強すぎるあまり、互いの思想はつながらない。共通の足場がないと比較はできず、かといって大雑把な「主義(イズム)」でまとめれば、豊かな思考は色褪せてしまう。 必要なのは、時間論を捉え直すための精緻な「共通言語」だ。観点・領域・時制・時間経験・アスペクト・様相――第T部が用意するこの6つのレンズを通すことで、ばらばらだった哲学者たちが互いに照らし合い、単独では結べなかった像を結ぶ。そのホログラム、そしてそこから漏れ出る光にこそ、それぞれの思想の指紋が、くっきりと刻まれている。 第T部は概念の道具箱、第U部は実践編。好きな哲学者から入るもよし、自身の関心から切り込むもよし。孤立していた時間の議論が、一枚の地図の上でつながり始める。

はじめに(平井靖史)
第T部 概念のツールボックス──考えるための道具を揃える(平井靖史) 第1 章 主観的時間、客観的時間、超越論的時間──観点による区別 第2 章 物理の時間、生物の時間、人間の時間──対象による区別 第3 章 過去・現在・未来はどこにある?──時制による区別 第4 章 映画モデル、把持モデル、延長モデル──時間経験の構造 第5 章 時間を「縦」に切るか「横」に切るか──アスペクトによる区別 第6 章 必然、偶然、可能性が織りなす時間──時間と ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
[編者] 平井靖史(ひらい やすし)はじめに、第I部、第U部第3章、Column 2, 7, 8, 11、あとがき 慶應義塾大学文学部教授 主な著書に、『世界は時間でできている――ベルクソン時間哲学入門』(青土社、2022年)、主な編著に、Bergson's Scientific Metaphysics: Matter and Memory Today(Bloomsbury, 2023)などがある。
[著者](執筆順) 大厩諒(おおまや りょう)第U部第1章 島根大学教育学部准教授 主な著書に、『経験の流れとよどみ――ジェイムズ宇宙論への道程』(晃洋書房、2022年)、主な共著に、『ウィリアム・ジェイムズのことば』(教育評論社、2018年)などがある。
村田憲郎(むらた のりお)第U部第2章(蜷耕平と共著)、Column 1, 9, 12 東海大学文学部教授 主な論文に、「『時間意識についてのベルナウ草稿(1917/18)』を読む」『フッサール研究』(14) 2017年、「感情によって価値を基礎づける――フランツ・ブレンターノの感情論」『唯物論』(99) 2025年、などがある。
蜷耕平(やながわ こうへい)第U部第2章(村田憲郎と共著)、Column 13 立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員 主な論文に、「『ベルナウ草稿』における二重の予持」『現象学年報』(33)2016年、 「歴史の統一性について」『フッサール研究』(22)2025年、などがある。
飯盛元章(いいもり もとあき)第U部第4章、Column 5 中央大学文学部兼任講師 主な著書に、『暗黒の形而上学──触れられない世界の哲学』(青土社、2024年)、『連続と断絶──ホワイトヘッドの哲学』(人文書院、2020年)がある。
丸山文隆(まるやま ふみたか)第U部第5章 長野大学地域経営学部准教授 主な著書に、『ハイデッガーの超越論的な思索の研究――『存在と時間』から無の形而上学へ』(左右社、2022年)、主な共編著に『ハイデガー事典』(ハイデガー・フォーラム編、昭和堂、2021年)などがある。
小山虎(こやま とら)Column 3 山口大学時間学研究所准教授 主な著書に、『知られざるコンピューターの思想史――アメリカン・アイデアリズムから分析哲学へ』(PLANETS/第二次惑星開発委員会、2022年)、主な編著に、『一元論の多様な展開――近代ドイツ哲学から、世紀転換期の英米哲学を経て、現代の分析哲学まで』(晃洋書房、2025年)などがある。
佐藤香織(さとう かおり)Column 4 富山大学学術研究部教養教育学系講師 主な共編著に、『『存在の彼方へ』を解読する――レヴィナス研究の現在』(法政大学出版局、2025年)、『戦うことに意味はあるのか[増補改訂版]――平和の価値をめぐる哲学的試み』(弘前大学出版局、2023年)などがある。
山口尚(やまぐち しょう)Column 6 京都大学非常勤講師 主な著書に、『現代日本哲学史』(青土社、2025年)、『日本哲学の最前線』(講談社現代新書、2021年)などがある。
村井忠康(むらい ただやす)Column 10 沖縄国際大学法学部地域行政学科准教授 主な論文に、「B版演繹における判断と直観」『日本カント研究』(24) 2023年、「知覚は知識に「なる」のか――知覚の哲学において素朴行為論を再考する」『西日本哲学会』(33) 2025年、などがある。
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