「歌舞伎ならでは、歌舞伎にしかありえない芝居」を 春夏秋冬の選りすぐりで魅せる 大人のための歌舞伎入門書
歌舞伎は、現代にも生きている演劇でもあれば、一面、古来文芸やさまざまな伝承との深い関わりも持っている。そのどれをも、切り捨てることは不可能な生命体である。『古今集』が春の部に始まり四季の巡りに沿って編まれていることと、歌舞伎の姿・かたち、ひっくるめて言えば「在(あ)り様(よう)」は無縁ではない。 「歌舞伎ならでは、歌舞伎にしかありえない芝居」を春夏秋冬の選りすぐりで魅せる大人のための歌舞伎入門書。

序 1 春 『助六』:助六の啖呵 2 春 『曾我対面』:助六と表裏の一幕 3 春 『勧進帳』:リーダーの理想像 4 春 『弁慶上使』:さまざまな弁慶像 5 春 『義経千本桜』:タイトルロールとしての義経 6 春 『押戻』:歌舞伎十八番とは? 7 春 『鏡獅子』:新歌舞伎十八番の代表 8 夏 『髪結新三』:舞台の上の初夏 9 夏 『鈴ヶ森』:権八と長兵衛 10 夏 『極付幡随長兵衛』:二人の長兵衛 ……
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上村 以和於(かみむら・いわお) 1940(昭和15)年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、同大学院修士(英文)修了。1977年より、歌舞伎批評・評論活動を雑誌『演劇界』『劇評』を中心に行う。94年より『日本経済新聞』の劇評担当。演劇評論家。 主な著書に『歌舞伎百年百話』(河出書房新社、2007)、『東横歌舞伎の時代』(雄山閣、2015)、『21世紀の歌舞伎俳優たち』(三月書房、2000)、『新世紀の歌舞伎俳優たち』(三月書房、2001)、『時代〈とき〉のなかの歌舞伎:近代歌舞伎批評家論』(慶應義塾大学出版会、2003)、『仮名手本忠臣蔵』(慶應義塾大学出版会、2005)などがある。
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