舞台の景色を描いてその意味を検証する
歌舞伎の世界に現代にも通じる「人間」を発見し、先人からの型を身体化すると同時に、現代的な意味を付与した吉右衛門。近代から現代へと歌舞伎の歴史的な転換を体現したその芸を後世に伝える。
歌舞伎の世界に現代にも通じる「人間」を発見し、先人からの型を身体化すると同時に、現代的な意味を付与した吉右衛門。近代から現代へと歌舞伎の歴史的な転換を体現した。細部にこそ神が宿る吉右衛門の舞台の景色を描いて、その芸を後世に伝える。
![書評](/img/detailh4-review.gif)
『読書アンケート 2023――識者が選んだ、この一年の本』(みすず書房、2024)p.60に掲載されました。選者は、草光俊雄氏(イギリス史)です。
『山形新聞』 2023年11月26日(8面・読書面)に書評が掲載されました。評者は小玉祥子氏(演劇ジャーナリスト)です。
『静岡新聞』 2023年10月22日(22面・読書面)に書評が掲載されました。評者は小玉祥子氏(演劇ジャーナリスト)です。
![目次](/img/detailh4-contents.gif)
吉右衛門の死
一 荒事の美しさ 飛び梅の美しさ――梅王丸『菅原伝授手習鑑』「車引」 魂を生きる――武蔵坊弁慶『勧進帳』
二 歴史の谷間に 「オーイオーイ、オオーイ」――熊谷直実『一谷嫩軍記』「陣門・組討」 「十六年はひと昔、夢だ夢だ」――熊谷直実『一谷嫩軍記』「熊谷陣屋」 二つの正義――武智光秀『絵本太功記』と『時今也桔梗旗揚』 地獄の三悪道――新中納言知盛『義経千本桜』「渡海屋・大物浦」 その第一声――松王丸『菅原伝授手習鑑』「寺子屋」 二つの人生――樋口次郎兼光『 ……
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渡辺保(わたなべ・たもつ) 1936年東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、東宝入社。1965年、『歌舞伎に女優を』で評論デビュー。企画室長を経て、東宝退社。淑徳大学、放送大学など、多数の大学で教鞭をとる。演劇評論家。芸術院会員。 受勲には、2000年11月紫綬褒章、2009年11月旭日小綬章、2017年12月日本芸術院賞・恩賜賞がある。 主な著書に『女形の運命』(紀伊国屋書店、1974、芸術選奨新人賞)、『忠臣蔵 もう一つの歴史感覚』(白水社、1981、平林たい子賞、河竹賞)、『娘道成寺』(駸々堂、1986、読売文学賞)、『昭和の名人 豊竹山城少掾』(新潮社、1993、吉田秀和賞)、『四代目市川団十郎』(筑摩書房、1994、芸術選奨文部大臣賞)、『黙阿弥の明治維新』(新潮社、1997、読売文学賞)、『明治演劇史』(講談社、2012、河竹賞)などがある。
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