・シャルル・ボードレールの世界へのガイドブック。 ・ボードレールの代表作『悪の花』を通じて、抒情の本質を真剣に問う試み。
フランス19 世紀の詩人シャルル・ボードレール。その半生をかけた代表作であり、唯一無二の抒情詩集である『悪の花』を通じて、抒情の本質を真剣に問い、近代にとっての詩の意味を問い、近代を歴史化すること、へと読者を誘う。ボードレールの世界へのささやかなガイドブックとなる一冊。

序章 はじめに
第一章 『悪の花』に入ろう―「旅へのいざない」 詩集を読む/旅へのいざない/詩を読む/音の経験/フランス詩の韻律/理想郷はどこに/きみに似た国/東洋に開く窓/部屋から見る世界/想像力の旅
第二章 インドからパリへ―「異国のかおり」「死骸」 インドへの旅/「異国のかおり」/パリの詩人/「死骸の王様」/「その日を摘め」/「死を思え」/動物の死骸/道路=廃棄場/郊外・自然と都市の境界
第三章 トロイア、エペイロス、パリ― ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
原 大地(はら たいち) 慶應義塾大学商学部教授。 1973年生まれ。2004年、東京大学大学院人文社会系研究科欧米系文化研究専攻博士課程単位取得退学(仏語仏文学専修)。同年、パリ第四大学(ソルボンヌ)博士課程修了。慶應義塾大学商学部専任講師、准教授を経て、2015年より現職。専門はフランス語・フランス文学。主要著書に『ステファヌ・マラルメの〈世紀〉』(水声社、2019年)、『マラルメ 不在の懐胎』(慶應義塾大学出版会、2014年)、『『牧神の午後』ーー マラルメを読もう」(慶應義塾大学教養研究センター、2011年)など。主要訳書に、ベルトラン・マルシャル『サロメ 詩と散文のはざまに―ボードレール・マラルメ・フローベール・ユイスマンス』(水声社、2023年、大鐘敦子との共訳)、ジャン=ピエール・リシャール解説『マラルメ アナトールの墓のために』(水声社、2015年)など。
|