・「金融危機」についての最新の知見を第一線の研究者が解説。 ・コンパクトな表現で、最新の理論と実例を紹介。
2008 年の世界金融危機以降、その原因についての研究が膨大に蓄積され、来るべき危機に備えた政策が検討された。しかし大学の経済学コースではそうした危機についての全体像を学ぶ機会が実は少ない。本書では10 の経済危機モデルと、それに該当する2つの事例を各章で平易に解説。学生・ビジネスパーソンともに役立つ1 冊。
はじめに 1.1 破綻 1.2 本書の構成 1.3 本書の利用法 1.4 謝辞
第T部 増大する脆弱性:危機の前段階
第2章 バブルと信念 2.1 ケインズ美人投票によるバブルのモデル 2.2 1980年代半ばの日本のバブル 2.3 1998〜2000年のインターネット・バブル
第3章 資本流入とその(誤)配分 3.1 誤配分のモデル 3.2 ユーロ危機の種:ポルトガルの21世紀の低迷 3.3 チリの1 ……
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マーカス・K・ブルネルマイヤー(Markus Brunnermeier)[著] 米国プリンストン大学のエドワーズ・S・サンフォード教授兼ベンドハイム金融センター所長。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)より博士号取得。専門はマクロ経済学、金融理論、特にバブル、デジタル通貨など。2023 年アメリカ金融学会会長。2023 年から日本銀行金融研究所海外顧問。著書に『レジリエントな社会』立木勝・山岡由美訳、日本経済新聞出版)がある。
リカルド・レイス(Ricardo Reis)[著] 英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のA・W・フィリップス教授。ハーバード大学より博士号取得。専門はマクロ経済学、金融・財政政策、特にインフレ、景気循環など。2021 年ユルヨ・ヨハンソン賞、2022 年カール・メンガー賞。英国アカデミー会員。
栗林寛幸(くりばやし・ひろゆき)[訳] 東京大学特任研究員。東京大学教養学部卒業(国際関係論)。英国ケンブリッジ大学修士課程修了(経済学)。訳書にケン・ビンモア『正義のゲーム理論的基礎』(NTT出版)、ピーター・テミン『なぜ中間層は没落したのか』(慶應義塾大学出版会)、ポール・コリアー&ジョン・ケイ『強欲資本主義は死んだ』(勁草書房、共訳)などがある。
小谷野俊夫(こやの・としお)[訳] 静岡県立大学名誉教授。1969 年早稲田大学政治経済学部卒。1975 年ペンシルベニア大学ウォートンスクール修了(MBA)。第一勧銀調査部ニューヨーク駐在シニア・エコノミスト、DKB 総研経済調査部長を経て1997 年静岡県立大学教授。主な訳書にエド・コンウェイ『サミット』(一灯舎)、『ケインズ全集 第20 巻』(東洋経済新報社)などがある。
青木浩介(あおき・こうすけ)[解説] 東京大学大学院経済学研究科教授。プリンストン大学にてPh.D.(Economics)取得。専門はマクロ経済学、金融政策。2001 年ヨーロッパ経済学会Young EconomistAward、2014 年日本経済学会中原賞、2020 年全国銀行学術研究振興財団賞受賞。
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