・移民と、移民がもたらす文化が与える影響は何か、経済にとって本当にプラスなのか? ・移民文化の多様性、習慣、政治文化などがもたらす変化とは? ――世界史的なスケールの視野で計量分析された諸研究を整理・紹介
移民への姿勢で大きく二分された世界において、シリア難民をめぐる議論やトランプ政権下の「国境の壁」問題など、緊張感が一層高まっている。本書では、近年著しく発展している計量分析手法を用いて、移民や彼らの文化がもたらす効果・影響を重層的に整理、分析する。マクロ経済学・経済史的な視点から、壮大なタイムスケールで移民が移住先の社会・経済に与えてきた影響を考察する。
はじめに 最善の移民政策
序 経済学者は「文化の力」にいかにして気づいたか
第1章 同化という神話 アルゼンチンの物語/態度を輸入する/信頼は移動するか/文化変化のスパゲッティ理論/ 倹約は受け継がれるか/家族的価値観の危うさ/受け継がれるものと継がれないもの
第2章 繁栄はどこから来たのか 16世紀以前の東アジア・アフリカ世界/始まりの論文/過去はプロローグか?/ 「移民調整」の作業/場所の歴史か人の歴史 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
ギャレット・ジョーンズ(Garret Jones)[著] ジョージ・メイソン大学准教授。カリフォルニア大学でPh.D.(Economics)取得。専門は、マクロ経済学。 著作にHive Mind: How Your Nation's IQ Matters So Much More Than Your Own、10% Less Democracy: How Less Voting Could Mean Better Governanceがある。
飯嶋貴子(いいじま たかこ)[訳] 翻訳家。サンフランシスコ州立大学大学院比較文学修士課程修了。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。訳書に『鏡のなかの自己─ミラーテストと「自己認知」の歴史』、『データ視覚化の人類史─グラフの発明から時間と空間の可視化まで』、『世界を支配するベイズの定理』(以上、青土社)、『Think critically クリティカル・シンキングで真実を見極める』(慶應義塾大学出版会)などがある。
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