陰謀論はなぜ生まれるのか
Qアノンとソーシャルメディア
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アメリカ連邦議会議事堂襲撃事件はなぜ起こったのか? 世界中を震撼させた「Qアノン」現象の根源に分け入り、 権威や既存メディアに疑問を抱き陰謀論を信じる人々の深層に迫る、傑作ノンフィクション。
議事堂を襲撃した人々は、不正選挙が行われたという陰謀論を信じていた。それをトランプと一緒になってネットに拡散させたのが、「Qアノン」と呼ばれる人々であった。反動的・極右思想をもつ人々を駆り立てるこの集団が、アメリカに生まれた背景とは何だったのか? 現代アメリカのソーシャルメディアと社会との関係をさぐり、「陰謀論」が生まれる過程を追った迫真の一冊。
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あらゆる人に本書を読んでほしい。本書の内容は、すべての人が知るべき重大な問題となった――CNN・エリン・バーネット
Qアノンの信念は、軽蔑され、嘲笑されてきた。そのせいで人々はQアノンのムーブメントをひどく過小評価するようになり、現在においてなお、その脅威に真剣に取り組むことを難しくしているとロスチャイルドは論じている――『ニューヨーカー』
次のエピソードが待ち遠しくなるような場面描写にあふれ、まるでスリラーのような読み応えがある。本書は印象深い調査成果であり、手に汗握る読み物だ――『サンデー・タイムス』
ロスチャイルドの本は、人間の理性が当然のように進歩すると思っている人や、すべての意見が等しく尊重される自由な言論環境の価値を信じる人にとって、深く心を痛める一冊である。彼は現代の複雑な危機の中でも、情報の危機こそがもっとも根本的な問題であり、情報の質、情報の到達範囲こそが問題であるという真実を強く訴えている――『ガーディアン』・ティム・アダムス


『日本経済新聞』 2025年1月11日読書面(27面)の西山隆行氏(成蹊大学教授)による「今を読み解く」で、取り上げていただきました。
『産経新聞』 2024年12月22日読書面(21面)「令和6年 私の3冊」で、前嶋和弘氏(上智大学教授)に挙げていただきました。
『図書新聞』 2024年6月1日(第3641号)(1面)に書評が掲載されました。評者は、坂本旬氏(法政大学キャリアデザイン学部教授)です。

イントロダクション 世界を救うための計画
第T部 起 源 第1章 地図の読み方を学べ──Qアノンについての基礎知識 第2章 嵐のまえの静けさ──Qアノンはいかにして始まったのか 第3章 君たちは本当にすごい──Qアノンの成功 第4章 決戦の日は近づいている──Qアノンを生み出した詐欺と陰謀論 第5章 われわれがニュースだ──Qアノン躍進の二〇一九年 第6章 神は勝利する──なぜ人々はQアノンを信じるのか
第U部 深刻化 第7章 これはゲームではない─ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
マイク・ロスチャイルド(Mike Rothschild) インターネット文化と政治の相互関係に焦点をあてて活動しているジャーナリスト。 2018年からQアノンの陰謀論の調査に注力してきた。彼らと過去の陰謀論の理論や詐欺事件とのかかわりをはじめて明らかにしたジャーナリストの一人である。『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』やCNN、NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)、BBCなどへのコメンテーターとしても知られる。
烏谷昌幸(からすだに・まさゆき) 慶應義塾大学法学部政治学科教授。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。 主要業績: 『シンボル化の政治学―政治コミュニケーション研究の構成主義的展開』(新曜社、2022年)、 『メディアが震えた―テレビ・ラジオと東日本大震災』(共著、東京大学出版会、2013年)ほか。
昇亜美子(のぼり あみこ) 慶應義塾大学国際センター非常勤講師。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。 主要著作:『アジアの国際関係―移行期の地域秩序』(共著、春風社、2018年)、『秩序変動と日本外交―拡大と収縮の七〇年』(共著、慶應義塾大学出版会、2016年)ほか。
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