大災害の教訓に学ぶ 中国・朝鮮の人々にとって、関東大震災とはどのような経験であったのか。中華圏からの震災支援、虐殺事件、独立運動団体「義烈団」の動向、大韓民国臨時政府の対応などから精緻に検証する。近代未曾有の大災害を東アジア関係史に位置づける試み。

『Voice』 2024年1月号「歴史家の書棚〈42〉」(p. 238)に書評が掲載されました。評者は奈良岡聰智氏 (京都大学教授)です。
『新潟日報』 2023年12月3日(12面・読書面)「にいがたの一冊」に書評が掲載されました。評者は中村元氏(新潟大学人文学部准教授)です。
『AERA』 2023年10月2日号に書評が掲載されました。評者は苅部直氏(政治学者)です。

はじめに 第一部 中華圏と関東大震災 第1章 菩薩と呼ばれた中国人 ――王一亭の震災支援と幽冥鐘 第2章 「まさかの友は真の友」 ――中華圏からの二度の大震災支援 第3章 ある中国人青年の死 ――王希天事件と大島町事件という禍根 第二部 朝鮮人と関東大震災 第4章 「不逞鮮人」来襲=@──秘密結社「義烈団」の虚像と実像 第5章 大韓民国臨時政府の苦悩 ――震災対応と権力闘争 おわりに
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武藤秀太郎(むとう しゅうたろう) 新潟大学経済科学部教授。 早稲田大学政治経済学部卒業。総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了。学術博士。 専門は社会思想史、東アジア近代史。著書に『島田三郎──判決は国民の興論に在り』(ミネルヴァ書房、2022年)、『大正デモクラットの精神史──東アジアにおける「知識人」の誕生』(慶應義塾大学出版会、2020年)、『「抗日」中国の起源──五四運動と日本』(筑摩選書、2019年)など。
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