第66回(2023年度)日経・経済図書文化賞を受賞しました。
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第45回サントリー学芸賞(政治・経済部門)を受賞しました。
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家計行動を体系的に理解する
日本の家計はどのように消費を決定しているのか。 本書では、消費税率引上げ、特別定額給付金の消費刺激効果、児童手当給付問題、老後の生活資金の不足問題など、わが国の消費にまつわる多様な現象を「ライフサイクル理論」を用いて一貫した視点から分析している。経済環境の変化がどのように家計行動を変えるのか、そのメカニズムの解明を試みる意欲作。
@「消費のライフサイクル理論」の今日的な意義と目的を、総合的に理解すること。 Aミクロデータを用いて、ライフサイクル理論の家計消費行動における実証分析をまとめること。 B日本の家計消費に関する課題や政策的介入の可能性、将来像についての知見をまとめること。 この3つが本書の大きな目的であり、著者は過去10 年以上に亘って、日本のデータを用いたライフサイクル理論の実証研究を重ねてきた。ライフサイクル理論の実証は、今日の応用計量経済学の中心テーマの一つであり、ミクロ計量分析の理解を深めるうえでも大いに役立つであろう注目の一書。

『経済セミナー』 2023年12月・ 2024年1月号「BOOK ANGLE|書評」(p. 124)に書評が掲載されました。評者は、堀雅博氏(一橋大学大学院経済学研究科教授)です。
『週刊 金融財政事情』 2023年11月14日号「一人一冊」(p.50)に書評が掲載されました。評者は、河野龍太郎氏(BNPパリバ証券チーフエコノミスト)です。
『朝日新聞』 2023年8月12日(11面・読書面) に書評が掲載されました。評者は、神林龍氏(武蔵大学教授)です。 本文はこちら

第T部 消費の決定理論 第1章 消費のライフサイクル理論 消費の決定とは/所得と消費:ケインズ型消費関数/ライフサイクル理論の基本モデル/消費の平準化/ライフサイクル理論と恒常所得仮説/コラム1:相対所得仮説/コラム2:指数割引と時間的整合性
第2章 所得の不確実性と消費 所得の不確実性と確実性等価モデル/消費の決定要因としての「情報」/同時点の所得と消費:再考/政策のアナウンスと消費の変化―2014年の消費税率の引上げ―/所得リスクと予備的貯蓄/予備的貯蓄の含意/予備的貯蓄の重要性 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
宇南山卓(うなやま・たかし) 京都大学経済研究所教授。 1974年生まれ。97年、東京大学経済学部卒業。2004年、同大大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。 慶應義塾大学専任講師、京都大学講師、神戸大学准教授、一橋大学准教授、同教授を経て、2020年より現職。この間2013年〜15年、財務省財務総合政策研究所へ総括主任研究官として出向。キプロス大学、英ユニバーシティカレッジロンドン、米ボストンカレッジ、米コロンビア大学に客員研究員として滞在。財政制度等審議会、社会保障審議会、統計委員会などの臨時委員を歴任。
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