犬に話しかけてはいけない
内陸アラスカのマルチスピーシーズ民族誌
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カリブー、ワタリガラス、クマ、ビーバー、ギンザケ、オーロラ ……
多種とともに生きのびる知恵を知る 人類学の冒険がはじまる
内陸アラスカではかつて「犬に話しかけてはいけない」という禁忌があった――。
本書は、マルチスピーシーズ民族誌と環境人文学の視点から、フィールドワークを通してアラスカ先住民の人々と「自然環境」との関わりを描く。 内陸アラスカ先住民の人々は、動植物や精霊、土地との関係性のなかで息をひそめながら暮らしてきた。「人間」が問い直されている今、彼らの「交感しすぎない」という知恵から「自然との共生」を再考する。
装画=大小島真木 装丁=大倉真一郎
『読売新聞』 2023年3月25日(夕刊、6面)に近藤 祉秋先生のインタビューが掲載されました。
『図書新聞』 2023年3月4日(第3581号)(5面)に書評が掲載されました。評者は、山口未花子氏(北海道大学文学研究院准教授)です。
『聖教新聞』 2023年1月17日(7面・読書面)に短評が掲載されました。
はじめに――ある日の野帳から
第1章 マルチスピーシーズ民族誌へようこそ 現代人類学への道 マルチスピーシーズ民族誌の誕生 人新世と環境人文学――マルチスピーシーズ民族誌との関連から
第2章 ニコライ村への道のり ニコライ村 フィールドワークの始まり 本書のおもな登場人物 個人主義的な人々? 徒弟的なフィールドワーク フィールドワークの身体性
第3章 ワタリガラスのいかもの食い──ある神話モチーフを考える トリックスターとしてのワタリガラ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
近藤 祉秋(こんどう しあき) 専門:文化人類学、アラスカ先住民研究。博士(文学)。 共編著に『食う、食われる、食いあう――マルチスピーシーズ民族誌の思考』(青土社、2021年)、論文に「危機の「予言」が生み出す異種集合体――内陸アラスカ先住民の過去回帰言説を事例として」『文化人類学』86巻3号、「内陸アラスカ先住民の世界と「刹那的な絡まりあい」――人新世における自然=文化批評としてのマルチスピーシーズ民族誌」『文化人類学』86巻1号などがある。
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