▼大衆化 と 差異化…。「普通の人々」の昭和・平成を描く。 ▼「サラリーマン」という戦後の成人男性の典型的な表象が揺らぎつつある昨今。 昭和・平成の映画、雑誌、ドラマ、漫画など…サラリーマンがサラリーマンをまなざすメディアの分析を通じ、大衆化と差異化という視点から、日本社会を支える〈普通の人々〉の通史を描く。 ▼我らしがない「サラリーマン」なのか?
「サラリーマン」という言葉を聞いた時に、皆さんは何をイメージするだろうか。 やや古い響きがあるかもしれない。現在であれば、ビジネスパーソンや会社員と言った方が一般的だろう。 それでも本書は、あえて「サラリーマン」という言葉を使っている。 なぜならば、「サラリーマン」という言葉が、戦後日本社会において典型的な成人男性を表象するイメージとして定着していたからである。 「サラリーマン」という言葉に違和感があるのであれば、適宜、ビジネスパーソンや会社員と読み替えてもらってもかまわない。 本書はスーツを着て職場に毎朝通勤し、仕事をする…このような、日本社会を支える多くの人のメディア史を描くものである。
『ソシオロジ』 69巻1号(210号、2024年6月)「書評」(p.80-90)に書評及びリプライが掲載されました。評者は西村大志氏です。
『三田社会学』 第28号(2023年7月)「書評」(p.101-104)に掲載されました。評者は阪本博志氏(帝京大学文学部)です。 本文はこちら 著者リプライはこちら
『サンデー毎日』 2022年10月13日号(p.72〜p.73)「遠回りの読書」に書評が掲載されました。評者は武田砂鉄氏(フリーライター)です。
まえがき
1章 なぜ「『サラリーマン』のメディア史」か 1 「サラリーマン」が「サラリーマン」をまなざす/2 本書の方法論/3 本書で扱う史資料/ 4 本書の構成
2章 戦前期における職員層とは何者だったのか――「サラリーマン」のメディア史序論 1 戦前期の「サラリーマン」/2 しがない「サラリーマン」としての職員層/3 「知識人」として の職員層/4 「消費者」としての職員層/5 戦前期における職員層の複眼的な理解に向け ……
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谷原 吏(たにはら つかさ) 1986年生まれ。 神田外語大学外国語学部専任講師、国際大学GLOCOM客員研究員。博士(社会学)。 2018年第6回関西社会学会大会奨励賞。 専門分野:メディア史、メデイア効果論、情報社会論、計量社会学等。 本書にまとめられた研究の他、“The bias of Twitter as an agenda-setter on COVID-19: An empirical research using log data and survey data in Japan”, Communication and the Public 7 (2), 2022、“Effects of corrections on COVID-19-related misinformation: Cross-media empirical analyses in Japan”, International Journal of Web Based Communities 18 (1), 2022ほか。
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