〈サラリーマン〉のメディア史

まえがき
1章 なぜ「『サラリーマン』のメディア史」か 1 「サラリーマン」が「サラリーマン」をまなざす/2 本書の方法論/3 本書で扱う史資料/ 4 本書の構成
2章 戦前期における職員層とは何者だったのか――「サラリーマン」のメディア史序論 1 戦前期の「サラリーマン」/2 しがない「サラリーマン」としての職員層/3 「知識人」として の職員層/4 「消費者」としての職員層/5 戦前期における職員層の複眼的な理解に向け て
3章 1950年代及び60年代におけるサラリーマンイメージの変容過程――東宝サラリーマン映画を題材として 1 大衆化された「サラリーマン」/2 東宝サラリーマン映画を研究する/3 『三等重役』及び 「社長シリーズ」――〈出世主義〉と〈家族主義〉/4 『ニッポン無責任時代』及び「日本一シリ ーズ」――〈能力主義〉との関連/5 「サラリーマン」の大衆化
4章 「サラリーマン」と雑誌――1980年代における「知」の変容 1 「サラリーマン」と雑誌/2 戦前から高度経済成長期―教養主義の名残/3 1980年代に おける知の編成の変容――『BIG tomorrow』について/4 1980年代のサラリーマンを取り巻く 競争環境/5 1990年代以降の動向/6 「出世」と「処世術」
5章 「サラリーマン」を支えた上昇アスピレーション――1980年代以降のビジネス雑誌 1 立身出世主義は終焉したのか/2 調査対象資料――『BIG tomorrow』と『プレジデント』に ついて/3 1980年代――年齢層によって異なる在り様/4 1990年代――方針転換に向け て/5 2000年代――『BIG tomorrow』の衰退と『プレジデント』の成功/6 修養主義と心理 主義
6章 処世術言説は、誰がどのように読んでいるのか 1 「こんなの、真面目に読んでる人いるの?」に応えるために/2 誰がどれくらい読んでいる のか/3 どのように読まれているのか―読みの両義性/4 「肯定的な読み」に関連する要因 ――自己確認の参照点としてのアドバイス記事/5 「学習メディア」としての処世術言説
7章 メディア史の中の『課長 島耕作』と『半沢直樹』 1 『課長 島耕作』と「サラリーマンの時代」/2 『半沢直樹』におけるリアリティの不在
8章 「サラリーマン」のメディア史における「大衆化」と「差異化」の過程 1 本書の結論/2 本書の意義
あとがき/初出一覧/参考文献/索 引
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