▼ソ連なき東欧を夢見て 第一次世界大戦によってヨーロッパの旧秩序が崩壊し、 スターリンとヒトラーが台頭する戦間期の東欧。 二強国の思惑に蹂躙されたポーランドで共産主義と民族主義に抗い、 秘かな戦いをくり広げた一人の男の数奇な生涯を通して 20世紀東欧史の最深部を描き出すティモシー・スナイダーの出世作。
ある時はモダニズムの画家、ある時はポーランド政府の高官、そして スパイにして反ボリシェヴィキの闘士でもあったヘンリク・ユゼフスキ――。 第一次世界大戦によってヨーロッパの旧秩序が崩壊し、 スターリンとヒトラーが台頭する戦間期の東欧は、動乱の時代を迎えた。
ポーランドの東方政策の野望、ウクライナの国家建設の欲望、 そしてスターリンのソ連、それぞれの思惑が交錯する境界地帯で、 共産主義と民族主義に抗いつづけ、ありえたかもしれないソ連なき東欧という 理想を追い求めたヘンリク・ユゼフスキの数奇な生涯を通して 20世紀東欧史の最深部を描き出すティモシー・スナイダーの出世作。
※本書の電子書籍につきまして、収録の絵画作品については著作権の問題でマスキング処理されています。
![書評](/img/detailh4-review.gif)
週刊 東洋経済 2022年3月19日号「話題の本・Book Review」(p.94)に書評が掲載されました。評者は川成洋氏(法政大学名誉教授)です。
『世界日報』 2022年3月6日(7面)「読書欄」に書評が掲載されました。評者は川成洋氏(法政大学名誉教授)です。
![目次](/img/detailh4-contents.gif)
プロローグ 尋問 隠滅 史料 環境 本書の構成
はじめに キュビスムと密謀 ポーランド軍事組織(POW) キエフ進軍 冬の行軍 リガ条約 エルシノア城
T 巧妙な上昇
第1章 信頼 ポーランドの共産主義勢力 「揺さぶり」作戦 文芸論争 シュムスキー事件 矛盾
第2章 プロメテウス運動のウクライナ 反共主義と反ユダヤ主義 諜報基地〈ヘトマン ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
[著者] ティモシー・スナイダー(Timothy Snyder) 1969年オハイオ州生まれ。イェール大学歴史学部教授。オクスフォード大学でPh.D.を取得。専攻は中東欧史、ホロコースト史、近代ナショナリズム研究。邦訳されている著書として『赤い大公――ハプスブルク家と東欧の20世紀』『ブラックアース――ホロコーストの歴史と教訓』『暴政――20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン』『自由なき世界――フェイクデモクラシーと新たなファシズム』『アメリカの病――パンデミックが暴く自由と連帯の危機』(いずれも慶應義塾大学出版会、2014年、2016年、2017年、2020年、2021年)、『ブラッドランド』(2015年)、インタビュアーを務めたトニー・ジャットの遺著『20世紀を考える』(2015年)がある。2017年1月に初来日し、慶應義塾大学、東京大学などで講演を行った。ソ連崩壊を学部生として経験し、英独仏語だけでなく、スラブ諸語の一次資料をも自在に活用する学風は、ホロコースト論でも新境地を開いたと高く評価されている。ハンナ・アーレント賞をはじめ多彩な受賞歴を誇る。また、ウクライナ情勢の信頼できる解析者であるだけでなく、世界に蔓延するフェイクデモクラシーへの批判をさまざまなメディアを通じて発信しており、アメリカでもきわめて大きな影響力を持つオピニオンリーダーの一人と目されている。
[訳者] 松井貴子(まつい たかこ) 翻訳家。訳書に、ドメニコ・ロレンツァ他『ダ・ヴィンチ 天才の仕事』(二見書房、2007年)、ベンジャミン・リフキン他『人体解剖図』(二見書房、2007年)、マイケル・カーロヴィッツ『月の歩きかた』(二見書房、2008年)、エレン・フォンタナ『オードリー物語』(二見書房、2011年)、ウィリアム・ジャマーノ『ジャマーノ編集長 学術論文出版のすすめ』など。
[解説] 梶さやか(かじ さやか) 岩手大学人文社会科学部人間文化課程准教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。 主な著書に、『ポーランド国歌と近代史――ドンブロフスキのマズレク』(群像社、2016年)、『せめぎあう中東欧・ロシアの歴史認識問題――ナチズムと社会主義の過去をめぐる葛藤』(ミネルヴァ書房、2017年、共著)、『ロシア帝国の民族知識人――大学・学知・ネットワーク』(昭和堂、2014年、共著)などがある。
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