▼先端科学から生じる新しい倫理問題とは何か。 ▼キメラ動物、人工的に作られる脳や胚、操作される未来世代―― 先端科学が生み出す「新たな存在」に私たちはどんな道徳的義務を負うのか? ▼基礎知識と思考法を文理問わず伝授する 、新次元の倫理学!
ES細胞やiPS細胞、遺伝子操作といった先端科学技術によって、 私たちの生活や命のあり方が大きく変わりつつある。 それは、人々の救いになると同時に、計り知れない危害をもたらす可能性がある。
先端科学が開発される現場で、倫理の問題を追究してきた著者は、 「命をどこまで操作してよいか」という問いに対峙する。
本書は、「道徳的地位」の考え方を導入することで、「命の操作」に関する代表的な問題を整理し、 リスクとベネフィットを評価しながら、何をどこまで許認めるのかを実践的に考えていく。
キメラ動物、人工的に作り出される脳や胚、果てはまだ存在しない未来世代まで、 「新しい存在」の倫理をどう考えるべきか。そのための知識と思考法を文理問わず伝授する、新次元の倫理学!
序 文
第1章 私たちは誰(何)に対して道徳的義務を負うか 道徳的地位の議論から考える 1 生きているものと生きていないものの境界 2 「生命への畏敬」に基づく見方 3 「有感性」に基づく見方 4 「道徳的行為者性」に基づく見方 5 「関係性」に基づく見方 6 道徳的地位の七原則 コラム1 種差別 コラム2 予防原則 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
澤井 努(さわい つとむ) 京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点・特定助教。専門は生命倫理学・哲学・宗教学。天理大学国際文化学部を卒業後、京都大学大学院博士課程修了(博士(人間・環境学))。オックスフォード大学留学、京都大学iPS細胞研究所上廣倫理研究部門・特定助教などを経て、現在に至る。主な著作に、『ヒトiPS細胞研究と倫理』(京都大学学術出版会、2017年)、共著『科学知と人文知の接点』(弘文堂、2017年)、共著 “Mapping the Ethical Issues of Brain Organoid Research and Application”(AJOB Neuroscience, 2021)など。
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