人材の“Buy and Make”の新たな戦略モデル!
未曾有の人材獲得難を突破するには、新たな方法論が必要だ。分断された日本の外部労働市場と内部労働市場を「ホィール」によって結合し、繰り返しの中で採用力を高めていく。 新卒、中途、パート採用からアメリカ企業・フランス企業のタレント獲得までを網羅した総合研究。
▼「新卒採用」への過度な偏重から脱却し、働き方改革やタレントマネジメントなど新たなパラダイム取り込んだ画期的な採用論。 ▼日本語の「採用」と英語の「リクルートメント」の定義のちがいを手がかりに考察を展開。日本的雇用の特殊性を考慮した「採用のホィールモデル」を構築し、採用の戦略を多面的に分析した包括的研究。
人口減少やデジタライゼ―ションにより、空前の「売り手市場」が発生し、いまや熾烈な人材獲得競争に勝ち抜くことが企業にとっての生命線となっている。今後、採用の戦略は、中途採用、パート採用、ときには海外でのタレント獲得も含めて立案しなければならない。その際、新卒や中途といった採用対象による分類から「攻めの採用」「守りの採用」という採用目的による分類へ、さらには外部労働市場の募集・選考プロセスに限った「小さな採用」論から、企業内部の雇用の仕組みも考慮した「大きな採用」論へと発想を切り替える必要があることを、本書では提示する。


『日本労務学会誌』 Vol.21 No.3(p.103〜p.106)に書評が掲載されました。評者は石山恒貴氏(法政大学大学院政策創造研究科教授)です。
『日本労働研究雑誌』 2020年11月号(No.724)(p.108〜p.110)に書評が掲載されました。評者は服部泰宏氏(神戸大学大学院経営学研究科准教授)です。

第1章 二つの「戦略」 1 未曽有の人材獲得難 2 「小さな採用」論の限界 (1) 募集・選考プロセス (2) 働き方改革 (3) タレント獲得 (4) “or”から“and”へ 3 「大きな採用」論の限界 (1) 「採用」と「リクルートメント」のちがい (2) 人材マネジメントという前提 (3) 境界を越える 4 採用変革は経営課題 (1) オペレーション化 (2) 変革の推進者 5 戦略が勝敗を分ける (1) 採用成功企業が行っていること (2) ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
中村天江(なかむら・あきえ) 東京大学大学院数理科学研究科修士課程修了後、1999年株式会社リクルート入社。求人求職・職業紹介・キャリア形成支援サービスの企画を経て、2009年リクルートワークス研究所に異動。12年日本労務学会研究奨励賞受賞、14年リクルートワークス研究所主任研究員(現在に至る)。16年一橋大学にて博士(商学)取得、中央大学戦略経営研究科客員教授となる。専門は人的資源管理論。「労働市場の高度化」をテーマに調査・研究・政策提言を行う。
【主な業績】 『マルチリレーション社会』(編著)リクルートワークス研究所、2020年 「『同一労働同一賃金』は企業の競争力向上につながるのか?」『日本労働研究雑誌』706号、2019年 『30代の働く地図』(共著、玄田有史編)岩波書店、2018年
|