▼「コラプション(腐敗・汚職)」研究の第一人者たちがわかりやすく解説。 ▼世界のさまざまな腐敗・汚職の実証データ、分析ツールを提供。 ▼政治学者と経済学者が協力して「汚職の構造」を明らかにする。
世界の大部分の国が腐敗・汚職に悩んでいる。しかし、汚職を撲滅した国も存在する。汚職は、個人の「悪」の問題ではなく、構造の問題であり、法律だけではもちろん止められない。また民主主義でも無くせない。「汚職の均衡」をいかにして転換するか? 「悪」を糾弾するのではなく、その仕組みを理解することが汚職撲滅のカギとなる。

週刊ポスト 2020年3月27日号(6面)「Book Review」に書評が掲載されました。評者は岩瀬達哉氏(ノンフィクション作家)です。 本文はこちら
聖教新聞 2020年1月25日(6面)に書評が掲載されました。
読売新聞 2020年1月12日に書評が掲載されました。評者は篠田英朗氏(国際政治学者・東京外国語大教授)です。 本文はこちら(読売新聞読者会員限定です)

序文 謝辞
第1章 はじめに 1.1 この本の狙いは? 1.2 なぜ汚職は大きな意味をもつの? 1.3 汚職を理解するための本書の枠組みとは 1.4 腐敗した国が低汚職均衡に移るには? 1.5 汚職について考えるその他の枠組みはあるの? 1.6 この先の章には何が書いてあるの? 第1章で学んだこと
第2章 汚職とは何だろう? 2.1 汚職をどう定義しようか? 2.2 汚職はかならずしも違法だろうか? 2.3 汚職はどうやって計測するの? ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 レイ・フィスマン(Ray Fisman) ボストン大学スレーター家「行動経済学」寄付講座教授。著書に『会社は意外と合理的』(ティム・サリバンと共著、日本経済新聞出版社)。『悪い奴ほど合理的』( エドワード・ミゲルと共著、NTT出版)。
ミリアム・A・ゴールデン(Miriam A.Golden) カリフォルニア大学ロサンジェルス校政治学教授。コーネル大学でPh.D.を取得。ヨーロッパ、アジア、アフリカの腐敗や不正行為のフィールド研究に取り組む。現在のプロジェクトとしてパキスタンの政治における反応の実験デザインを行っている。
【訳者】 山形 浩生(やまがた・ひろお) 1964年生まれ。東京大学大学院都市工学科修士課程およびMIT不動産センター修士課程修了。途上国援助業務のかたわら、翻訳および各種の雑文書きに手を染める。著書に『第三の産業革命』(角川インターネット講座10)ほか。訳書にバナジー & デュフロ『貧乏人の経済学』(みすず書房)、ピケティ『21世紀の資本』(共訳、みすず書房)、オライリー『WTF経済』(オライリージャパン)、ブーシェイ他『ピケティ以後』(共訳、青土社)ほか。
守岡 桜(もりおか・さくら) 翻訳家。共訳にピケティ『21世紀の資本』(みすず書房)、ウィーラン『統計学をまる裸にする』(日本経済新聞出版社)、シラー『それでも金融はすばらしい』(東洋経済新報社)、ブーシェイ他『ピケティ以後』(以上共訳、青土社)ほか。
【解説者】 溝口 哲郎(みぞぐち・てつろう) 1973年生まれ。高崎経済大学経済学部教授。オタワ大学(カナダ)でPh.D.(経済学)を取得。研究分野は汚職・腐敗の経済学および公共経済学。著書に『国家統治の質に関する経済分析』(三菱経済研究所)。
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